読書傾向
私は読書家です。なんて恥ずかしくて言えませんが、同世代女子(同世代おババの間違いや
ないかという意見は無視します。)の、中ではかなり上の方の本好きだと多少の自負はあります。
お正月に録りためたビデオがやっと消化しきれたかなと思った頃、我が家の本棚には新刊本が
ほぼ10冊。出番を待って私に流し目を送ってきます。
ほぼ買った日のまま・・至極の時ですな・・
昨夜はひと夜でハードーカバー2冊読み終えて、さすがにこれはまずいと今日は
ちょっと自粛しております。
私の大好きな河崎秋子さんの「清浄島」と柚木裕子さんの「教誨」
私は一冊読み終える毎に、感想を書き添えてノートに貼り付けております。最初は同じものを
二冊買わないためにとちょっとした予防策だったのですが、あまりに量が多くて、
たまーにあります。重複購入。
ハードで詠んだのに、そのタイトルのあまりの魅力に文庫で買って、
あらこれ読んだてわって事。
でも、読んでいて気づきますが、そういう本はやっぱり魅力的。
私は読み終えた本は古本屋さんに売り払います。そうしなければ我が家は古本屋敷に化してしまうから
ですが、その中でも老後の楽しみに読み返したい本も何冊かおくようにしましたが、これがもはや
本棚一杯。
もう老後の楽しみなんて言ってられない。・・もう十分老後じゃんと私の中で声がしますが
聞かぬふり・・
そんな葛藤の中での最近の読書です。
でも、正直この二冊は私の期待外れ部門です。
私は北海道の羊飼いをしていた河崎秋子さんの物語の髄を肌で感じたくて昨年北海道に
行ったくらいです。別海町から野付半島に行きましたが、その頃からどうも彼女の作風は
変わりました。
北海道の大きさと荒々しさと厳しさが削がれて、東京の風に吹かれるドサンコみたい
なっちゃった。と、感じつつ、それでも今回の舞台は礼文島だからと、期待はしていました。
でも、彼女は戻らなかった。
彼女の歩みは同郷の桜木紫乃さんによく似ています。でも桜木さんよりずっと早くその
行程を辿っているように思えます。
ちなみに前回の北海道の旅はこの桜木さんに感化され、知床と釧路に行ったのです
けどね。はい、私はミーハーですよ。それがなにか??
そして柚木裕子さん。彼女は「孤狼の血」以来のベストセラー作家ですし、そのハードな
文脈が好きでした。
でも、この作品は違和感がいっぱい。
誰がどう見てもあの「秋田の畠山鈴香事件」がベースなのはすぐに判ります。
こういう捉え方もあるのかというご意見もあるでしょう。
でも、あの事件は現実に第三者の被害者も出ているのです。
あのなくなられた男の子のご両親や縁者さんがこれを見たら、どう思うでしょうか。
そう考えたら、帯に書き連ねられた全国の書店の店員さんの。感動の辞がどれも
嘘くさく、感動しないはずがない。感動しないと嘘よと、みんなで責め立てている
ようにさえ思えるのです。
相対的に見ればどちらもいい作品ではあると思いますよ。だからこそ一夜で読み終えたのです。
それでも、私の読後感は、それをよしとしない。
ますます捻くれて、頑固になっていく私は、いったいどこに行くのでしょう。
ただ、私は自分が買った本はどんなに面白くなくても、難しくても、興味が搔き立てられなくても
最期までは読み続けますよ。
途中で放棄することはありません。それがよいのか悪いのかは判りませんけれど。。。