私はアニメファンの敵です。
先日、アカデミー賞の発表があって、日本映画も二作品受賞していましたね。
宮崎駿さんのアニメとゴジラ-1。
なんだか、アメリカらしい選択と思ったのは、捻くれた私だけでしょうか。
「君たちはどう生きるか」これって吉野源三郎氏の原作のアニメかと思ったら、
完全オリジナルだそうですね。
・・ここで、ちょっと引っ掛かったのが、ちょっと前の「君の名は」。
これも、そうです。ある一定の年齢以上の人なら、このセリフ聞いて「ああ」と思い出す物語や
イメージはありますよね。
タイトル利用アニメと、私は今でも思っています。そういう意図が全くなかったとは
作者さんも言い切れないと思いますよ。話題性づくりという意図でね。
それを逆手にとった、タイトルではないかと思いましたが、今回もそんな気がする。
でも、世間的には今の時代、吉野さんより宮崎さんの方が有名だし、案外今は宮崎さんの
モノになっているのかなと思ったりします。
高名な映画監督で、アニメの世界では「神様的扱い」(・・なんでしょ。私は知りませんが)の、宮崎さんが
断然有利(笑)
オリジナルが最高と言っている訳ではありませんが、もののけ姫やら千と千尋やらの、全くのオリジナルで
すばらしい作品何作も作っておいて、しばらくお休みしますと宣言して、復帰作がこれって、
なんだか潔くないなと感じてしまうのは私だけでしょうか。
私だけですよね。きっと。
アメリカ人でさえ、賞賛しているのですから。
でも、その前が同じ宮崎さんの千と千尋なんでしょ。
とても穿った思考で、どこまでひねくれてるんやというお叱り覚悟で申しますが
ここで宮崎さんが受賞すると、とてもセンセーショナルですよね。
日本のマスコミにも取り上げられやすい。
選考委員の諸氏の中には、こんな経済的効果を見据えた選考はなかったのでしょうか。
私は、宮崎さんが嫌いでも、アニメに殺意を持っているわけでもありませんが、日本の、
いや世界中の大人が、日本のアニメに過大な思想的欲求を期待しすぎているのではないかと
思っています。
私はアニメ好きではありませんが、千と千尋は映画館で見ました。もののけ姫はテレビで見ました。
良かったです。物語もとても文学性があったと思います。
でも、翻って見ると、とても傲慢な言い方で恥ずかしいのですが、表現力がないので、お許し
いただきたいのですが・・
人並みに本を読んでいると思っている私がこのアニメを見るのと、アニメしか見ない子がこれを
見るのとでは、受け取り方が随分ちがうだろうなとは感じました。
そして、今の日本のアニメの隆盛は、こういう「アニメしか見ない子」をどんどん量産させて
それを海外にまで波及させているような気がしてなりません。
文芸書や専門書。哲学本を絶賛しているのではありませんが、この状況は砂糖の味を知らずにおはぎや
ケーキを食べて「美味しい」とすべての味を知ったつもりの子を量産させているのと同じ気がします。
おはぎにはおはぎの、ケーキにはケーキの美味しさがあるのは、砂糖というその基幹にあるものが
それぞれに変化して、その味を作っているからです。
だから同じ「甘さ」でも、全く違う味わいになるのです。
基本を学ばずして、得られるものと、基本から立ち上がっていくものは、自ずとその強さと深さに差が
あらわれるのは当然のことです。
もう10年もしたら、小説という文化は消滅していて、みんなタブロットでアニメ見ている社会に
なっているかもと思ったら、目の前が昏くなりそうです。
そして、その時のために、私はやっぱり活字の本を少しづづ、先の私のために取り残しておきましょう。
私の死後、ゴミ扱いですべて捨てられてしまおうとも・・です。。。