紅葉の寺で・・
紅葉にはまだ早いかと思いながら、昨日は紅葉の名所に某古刹に行ってまいりました。
日曜日ですので人出は多く、参道も両脇のお店も人でいっぱい。
特にいつも立ち寄る煮込みうどんの名店はお昼まで、まだ小一時間はあるというのに、長蛇の列です。
ここの客裁きの上手さはよく知っていますから、案外長蛇も気にならないものです。
お店の中から頭に日本手ぬぐいを被り前掛けはしているものの、黒縁の眼鏡に口ひげとちょっと
今時の兄ちゃんがメモを片手に「お次、何名様?」と次々に聞いていきます。
そう思って、店内を見回すと、こんなかんじのお兄ちゃんがあと2.3人。
慣れた捌きで客を誘導しています。
「へぇ。なんだかここにも現れてわね。」と私
「何が?」と家人
「ほら、自分探ししていますとか、自転車で日本一周していますって子が、ふらっと立ち寄り、お見せの
ご厚意でしばらくアルバイトみたいにさせていただいて、別れ際に泣きながら手を振るってあるじゃない?」
「やな言い方するね。悪意があるよ。」
「いやいや悪意はないけど、最近はNHKも民放もそんな番組が多くない? 最初見ていたころは、それなりに
感激していたけど、毎週毎週見ていると・・飽きるわね。」
「飽きる・・人の好意を飽きるかね。ほんとに君は人のこと信じないね。」
「うーん。信じないと言われればそうかもしれない。感動は人生にそう何回もあるものとは思ってないからね。」
そんな私を家人は異星人でも見るような眼で凝視しています。
私はそんなに「風変りな人間(いや、魔女ですが・・)」でしょうか。
順番がきて、私たちは煮込みうどんと田舎おでんにありつくことができました。
おでんは、相変わらず武骨で野趣に溢れています。芥子みそもいつものように美味です。
お店を出て、参道の階段を上がりながら「なんだかおうどんの味変わったね。」
「どういう風に?」
「不味くなった。田舎臭い濃い味が半端に薄味になって、なんだかおこちゃま向けになった
気がする。万人に媚びた味。昔の山椒が効きすぎるくらいの刺激が懐かしい。」
「君は何でもそういうね。少し食べ続けると味が変わったというけど、それ飽きたんじゃない?」
飽きたか・・そうかもしれない。でも私ここの煮込みうどん30年は食べているのよ。だからこそ
味の変化が判るんじゃない?
それを私の飽きっぽさに変換するか?
世の中の変わるものと変わらぬものと、それを身に感じることは年を経るということかもしれませんね。
ま、それは私が繊細ということでもありますよね。
「でた! 究極のナルシズム。」
家人の減らず口を簡単にスルーして、魔女相談員は今日も、我が道を征く・・です。。。