昨日からずっとニュースで流れ続けている旭川の少女の溺死体の顛末。

なんども画面に流れる神居古潭の白く塗られた木の橋。

二年前に、私達も行ったところです。

あの日は雨が降っていて、国道から一本道を逸れたら人家はなく、鬱蒼としげる雑草が道に

かかるのをうっとおしいなと思いながら進んで行きました。

市内からは少し離れてはいるのですが、そのぶん自然美に溢れています。

神居古潭というのは神のおわす場所という意味のアイヌ語だそうですが、雨にけぶって

私達以外誰一人いないその場所は、確かにそういう神聖と荘厳に満ちていました。

 

石狩川に流れるという急流の両端には剥き出しの岩が、神様の御座所のように川に張り出して

古のここには本当にアイヌの神様がいらしたのだろうという気持ちにさせる場所でした。

私達の行ったのは10月の初めで、篠降る雨がそんな気持ちをより鮮烈にしたような気がします。

 

そんな場所で拉致されて四月の北海道にはまだ寒い夜に、ここに突き落とされた少女はどれほど

恐ろしく絶望的な気持ちだったかと思うと、言葉がありません。

暗くて水は見えなくても、石の間をさわさわと時に轟々と流れる水の音は聞こえます。

橋から宙に舞った彼女の心の内を推し量る術はありませんが、私も人の子の親として今はただ

ご冥福をお祈りするだけです。

 

そして今朝になって、少しづづその経緯が判ってきて、こうなった要因はSNSにあると判明してきました。

今朝もしたり顔のコメンテーターさんたちは「知らずにママ友の子供が映っていたするとトラブルに

なりますよね。」とか「自分はよかれと思っても、SNSにあげられたくない人もいますよね」とか

口々に言います。

そうなんでしょう。原因はSNSなんでしょう。

 

そしてこのSNSというヤツは、今までに何度も何度も同じ過ちを繰り返しています。

最初のころは、過渡期のやむ得ない事故ともいえると言うコメントもありました。

そうでしょう。でもそれからどれだけの月日がたっていますか。

何人の犠牲者が出ているのでしよう。

もしこれが、特定の例えば車の不良とか、エレベーターの不良とかであったら、とっくに

回収されているし、製造中止になっているのではありませんか。

なのに、これに関してはなんの措置も取られていない。

いじめの温床と言われて久しいのに、なんどもなんども同じ過ちを犯し続けている。

このあと、何人の犠牲者がでれば改善されるのでしょうか。

それとも、各自の意識と常識に照らし合わせてと言い続けるのでしょうか。

 

そもそも、自分の子を他人のSNSに載せないでという人は、載ったらどうするか考えて

いますか。相手に社会的制裁与えますか。

普通はそこまでしませんよね。そしてそれが犯罪行為に及んだ時に後悔して自分を責めるの

繰り返しではありませんか。

 

極論と一笑に伏されるかもしれませんが、もうSNSを法的に禁止すればどうですか。

常識の範囲にはそれぞれの差があるし、どうしてもSNSがらみの死を食い止められないのなら

いっそ法的に禁止にすればどうですか。

・・・いや、、今更それはという声もあるでしょうが、つい20年ほど前はSNSなんてなかったし

なければないで、他のコミニュケーションの手段はありました。

もうみんな忘れているだけです。

多少不便でも、レトロでもこれからの子供たちの命をひとつでも救えるなら、たいした努力

ではないのではありませんか。

 

だって仕方がないじゃないですか。

大人が(何歳からが大人かは・・この際目を瞑ってください)どうしてもできないのなら、

外圧的な力を利用するしかないでしょう。

 

子供を産んでくださいと、手を変え品を変えはした金をばらまく前に、今生きている子供たちの命を

まず一番どう守るか・・それが国のやるべき姿ではないでしょうか。

 

彼女があの橋から舞った時、神居古潭の神々が見守っていてくださったでしょうか。

子供の命を守れなかったニンゲンの大人たちの代わりに優しく掻き抱いてその死を

迎え入れてくれたでしょうか。

こんな離れた場所にいて、なんの関りもないおババですが、神居古潭で神様を感じた者として

いまはただそれを祈らずにはおれません。

どうぞ・・・どうぞ・・・