感謝
もうすっかり「夏」ですと天気予報はさかんに言っておりますが、空は大抵厚い雲に覆われ
商店街を吹き抜ける風が、心地よい爽やかさを孕んでいるのです。
こんな気象環境が「夏」の訳はありません。
この地の夏はじっとりと暑く、気怠く湿り気があって、脳みそが煮えかえるような時もある
のです。いやいや、これは決して嫌いで言っているわけではなく、自嘲している訳でもないのです。
夕凪の街なんて言うと、ご存じない方はとてもロマンチックな風景を想像なさるでしょうが、
要は夕方からは風が吹かなくなるということです。
浜辺の家は、じっとりと暑い空気を含んだ風がもわっと海から吹いてくるということです。
私の母などはこれを毛虫の如く嫌っておりまして、夏場の時期には毎夜、毎夜この風の凪いだ
地を呪詛しておりましたね。
私・・私は案外好きなのですね。このねっとりとした熱さ。
季節の変わり目の踏み絵みたいなもんじゃないですか?
自分はこの地に生まれて、この地で果てるのだということを骨の髄まで知らせてやろうと
いう自然のお節介のようにすら思います。
こういうお節介・・じつは嫌いではないのです。
今年もどこにも行けない夏を過ごすのか、五輪で浮かれている東京を尻目にわが道を
行くのか・・そんなことも、このジトジトの中で考えていると、思いもかけない答えが
待っていることもあります。
え?・・・・それはなにかって?
それは・・秘密です。遊び事は秘密があればあるほど、大きいほどに面白いのです。
神様・・
もうそう先の時間がたくさん残っているわけではありませんので、ひとつひとつの
後悔を押しつぶしながら過ごす毎日をお許しくださいと祈りつつ、自分が
生まれながらの無宗教人だったことに気付きました。
でも、お正月のお賽銭はいつも「1000円」奮発しています。
これは神を信じていない私の、ささやかな贖罪です。
信じてはいないのですが・・・こうして拠り所にしてもいいですか?と
身勝手なお願いを聞いていただく贖罪です。
なんで毎度毎度、こうも話が幾重にも流れるのでしょうね。(笑)
本日もお付き合いいただきありがとうございました。。。