非常時に
今季最大かと思われる台風19号が迫っています。もともと日本は台風の国でしたが、何年か前からは特にその被害が酷く大きくなっているようです。台風が来るたびに、数多の気象予報士さんが「かつてない・・」とか「未曽有の・・」とか言い「気象台始まって以来の降雨量」とか「風速」とか、危機感を煽り立てますが、正直こう何度もあれば・・またかと、少々狼少年ぽく思ってしまうのは、私の根性がひん曲がっているからでしょうかね。
千葉のこと思えばそんな呑気なこと言っておれるかっ! とか、被災地のこと考えたら「ぼーっとしてるんじゃないよっ!」とチコちゃんにまで叱られそうなのですが、どうもこのへそ曲がり体質は、そうそうに治りそうにありません。悪しからず・・・
出勤の途中で家人から「もしもの時、家財でこれは持っていきたいってものは何?」と聞かれました。
私は即座に「ないっ。」
そんなものはありません。もしもそういうシチュエーションになったら、惜しいものは何もありません。自分の命だけです。
願わくば、その命も自分で守るか見捨てるかを決めさせていただきたいですね。
救助隊はいりません。自分で避難できる限りは自分でします。できないときは、最善は尽くしますが、運命に任せます。このことに、何の後悔も不満もありません。・・・と、いうと必ず「それはよくない。生きる努力をすべき」なんて言われますが、私は生きる努力をしないとは言ってないのです。
緊急の時、自分の命は自分で決めさせてとお願いしているのです。
もしも、救助を拒んで死することがあっても、自分の選択です。誰も恨みません。たぶん・・
でも、救助中にケガを負ったり、死んだりしたら、きっと助けに来た人を恨みます。私・・そういう人間なのです。(あ、魔女ですからね)
「ま、何もないというのも君らしいし、迷いがなくていいよね。大事なもの取りに帰って巻き込まれるってことがないよね。」と家人
それは、ちょっと違うんだけど・・と、思いながら
「あなたは何をもって逃げたい?」と、聞いてみました。
「ギターとトランペット。」
は? ・・なんですと?
あの三階の部屋に堆く埃をかぶってケースに収まっている、大事にしすぎて二回しか弾いたことのないなんやらというメーカーの
ギターと、買って一度も吹く姿を見たこともないトランペットですって・・・
命の瀬戸際にそれ・・あほか。
男はいつまでも少年なんて、誰が言ったか知らないけれど、「あほ」ですね。
現実を見ろ。あんたが片手を空けなくて、誰が私の手を取るのよ。
どっちか捨てなさいよっ! と、心で叫んだ魔女相談員でした。