祈り
先日ウクライナのゼレンスキー大統領の日本向けの演説を視聴しましたが、
さすがにうまい。聞きほれて、平和な場所にいる良心のうずきと共感をかきたてるような
余韻の残る名演説と思いました。
元が役者さんだからなのか、人に訴えるときのツボを心得ているという気がします。
失礼ながら、並んで聞いている日本の議員さんたちが、なんと「アホ面」に見えたことか。
目を瞑って聞いている姿は感銘というより居眠りにしか見えず、キョトキョトと動く
マスクの上の目はまるで小動物。決して大物には見えません。
しかもコメントを求められたら、通り一遍の「感動しました」って・・
日本の国会議員さんたちは、おしなべて演説が下手ですが、聞けばいいって
ものではないんですよ。岸田さん・・と思わず肩を叩いてしまいそうな気分になるのです。
私の中での日本一と言えばやっぱり「小泉純一郎氏」でしょう。
長いこと人間やっていますと、歴代何人の総理大臣の演説聞いたか判りませんが
彼ほどドラマチックでしかも、日本人の心情に訴える演説をする政治家はいないと
思います。
ただ、余談ながら昨年、故あって久しぶりに氏の講演を拝聴する機会があったのですが
これにはがっかりしました。
政界引退して10年。まだまだ何かの役職には就いておられるのでしょうが、講演に
往年の迫力がない。
ありきたりの言葉で、平坦に話す氏については魅力を感じませんでした。
もっとも、こんな日本の片隅での講演なんで、手を抜いちゃったかな・・なんて
失礼なことまで考えたほどでした。決してそうは思いたくはないのですが。
で、話はゼレンスキー大統領に戻るのですが、この演説についてネットには
多少批判的なことも言われているようです。
ソフトな言い方してますが、要はこの演説西側諸国へのプロバガンダではないかと
いう指摘です。
そうだと思いますよ。だって当然でしょう。自国は戦争の最中なのです。
しかも大国ロシアが相手です。向こうがふっかけてきたかどうかの課程は判りませんが
売られた喧嘩を命がけで買っていのですから、味方を得るためにはプロパガンダでも
なんでもするでしょうよ。彼にはウクライナ国民の命と財産と国土を守る責任がある
のですから。あの精悍な容姿さえも演出なんて言われていますが、それで共感が少しでも
増えるならお安いことですし、当然のことでしょうね。
先日の墓参りにも思った私の顔を見たこともない大叔父のことや、つい先日
「ソ連兵に差し出された娘たち」を読んだばかりの身には、ロシアという国に
一欠けらの正義も見出すことはできません。
自国のためになりふり構わず戦略を駆使して世界を味方に付けようとする
ゼレンスキー大統領に極東のさらに片隅からひそやかなエールを送るだけです。
そして一日も早くこの戦闘状態が終結することを祈るばかりです。。。