大人の対応

2022年05月20日

世の中に絶えて桜のなかりせば・・と謳ったのは在原業平ですが、桜の季節が終わっても

世の中は少しものどかにはなりませんから、なくても同じです。きっと。

身も蓋もないない出だしで恐縮ですが、そうでも言いたくなるような出来事ではないかと

私などは思うのです。

 

かの、山口県阿武待町の交付金ネコババ騒動。

実行者は逮捕されたというのに、メディアはまだなんたらと日々取り上げ、それを見る私たちも、

なんやらと言い合う日々が続いています。

でも、思い返せば、役所が間違ってお金を振り込むなんてことは、よくあることですよね。

年金なんてしょっちゅうですし、税金にしても取り立てるけど、返さない・・なんて

よくあることじゃありませんか?

今回は高額でもありますが、出金窓口の金額で言えば、年金間違いの方が

桁違いの額ですよ。ただその時は受け取る方も単独ではなく、複数ですけどね。

複数になると、なかなか自己判断だけで決めることは難しいですよね。

特に、日本は同調圧力の郷ですから、誰かが返すとなったら「いや、私は

返さない!」とはなかなかなりません。

そういう意味では、古い社会秩序がまだまだ息づいているのかもしれません。

もっとも、年金ですから「世間の眼」が何より怖い世代がまだまだ多いですもの

そうなりますよね。

 

ところが今回はそうはいかなかった。

振り込んだ相手が悪かった。20代のチャラい男。しかも他所から空き家バンクらしきものを

利用してこの街にひとりで移り住んでいる。

本人は古民家好きと言ってたらしいですが、こうなっては「お家賃ただに目がくらんだのね」と

指摘されても反論はできますまい。

しかも、小学校時代から「金、カネ、かね」の文集がより彼を貶めていますね。

これについては、小学生の頃の放言を大人になってこんな時に使うのはちょっと反則のような

気がしますが、これも本人にとっては自業自得かも。

 

我が家の息子は小学生時代、総理大臣になると近所に触れ回り、「おおがんばれ」と

近所のおじさんに激励されて悦に入っていましたが、彼も犯罪を犯したら、その

おじさんから「あいつは昔から大法螺吹きやった」とチクられることでしょう。

息子よ、くれぐれも身を慎めるように・・・

 

と、まあ余計な母心は置いといて、かのネコババ男は往生際が悪かった。

母親まで説得に駆り出されて(お気の毒です。私が頼まれたらお断りします。

どうにでもしてください。もう大人ですから。)いたようですが、こうなると

ちよっと待てよと思います。

 

そもそもは役場が振り込んだのが間違いのもと。しかもこんな大金を

決裁も受けずに振り込むなんて・・信じられない。

それを今になって、町長やら副町長が偉そうにテレビに出て、今までの経過を

滔々と話していますが「あなた達には責任ないの?」と町民のみなさんは

何もおっしゃらないのでしょうか。

 

ネコババ男が取り込んだ4600万円は彼に返せと請求するのは、判ります。

でも、そのための裁判費用を500万ほども上乗せしてますよね。弁護士さんも複数お願い

しているらしいし、金額考えたら妥当かもしれませんが、でもそれは「町側」が負担する

べきものではありませんか。

すくなくとも、監督立場の町長や直属上司が責任の名において身をもって処する姿勢を

せめて見せるべきではありませんか。

 

責めるつもりはありませんが、いや結果的には責めていますが、

あなたたちが振込先を間違えたおかげであのチャラい兄ちゃんは「ネコババ男」と

して犯罪者になり、町は「なんと手ぬるい田舎町」の汚名を被り・・いや被っては

いないかもしれませんが、私のようなひねくれ者はそう思います。

こんな騒ぎになったことに、あなたたちにはなんの罪科はないのでしょうか。

 

町長さんはじめ町側はみなさん大人なんですから、このチャラい「ネコババ男」に

大人の対処を見せてやろうとは思いませんか。

テレビに出て、声高に相手を非難する姿より、自分で責任取る姿を見せた方が

よっぽどかっこいいと私などは思いますが・・・別にお前に評価されなくても

いいけどねと嘯かれたらそれまでですけど。。。(笑)

 

 

 

 

 


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