静かなる闘い

2022年06月02日

日曜日のことです。

今日もお師匠さまは我が家の裏庭の屋根づくりに早朝からきていただいていました。

もちろん家人も足手まといながら、その助をしております。

私は・・・私は・・・部屋で読書です。なにか?

あのですね。もうこのブログを見てくださる方ならとっくにご存じでしょうが、

私は「何か手仕事するときには絶対にそこにいてほしくない人物№1」なのだそうです。

これ家人の個人的ランキングです。

そこまで言われて、お手伝い・・なんて言えます?

師匠妻さんは凄いね。お役に立つどころか仕事のパートナーやねと感嘆する家人に

ならば私も手伝ってあげるわと言うと「いやいやいやいやいや」と連打され激しく拒否

されたのは前夜のことです。

 

その時は今村翔吾氏の「幸村を討て!」を読んでおりました。これがまた面白いのなんのって・・

氏の「じんかん」も目の覚めるような松永弾正の生涯を描いておりこれでいっぺんで

ファンになった私ですが、あれ以来松永弾正のファンになりました。

松永弾正があの時代の稀代の悪党と信じている皆さん、「じんかん」読んだら目から鱗と

いっしょに目玉が落ちるくらい衝撃を受けて、かの人が大好きになりますよ。

相談員は嘘言わない・・・

 

で、いつものように長い前置きはここまでです。

読書の間でちょっと洗面所にと向かうと、洗面所のドアに直角する形でクローゼットの

扉があります。何気にそのドアを見た私は、そのまま硬直してしまいました。

焦げ茶のドアの取っ手の傍に20㎝はあろうかという「ムカデ」

そやつがさわさわとドアを横切っているではありませんか。

あまりのおぞましさに声もでません。誘拐犯に遭遇した子供が声をあげられないと

言うのはこういうことなのでしょう。(ちょっと次元が違う気がします←家人)

 

声をあげるより先に私はキッチンに走り込んで、ケトルにお湯を沸かします。

そして外にいる家人を呼び戻し、ことの顛末を。

もちろんその時にはムカデはもうどこにも姿が見えず・・

・・・いやいる。あやつはいる。絶対いる。この付近にいる・・

私の確信は揺らぎませんでした。エアコンの冷気が階段から洩れるのを

防ぐために置いてある発砲スチロール。それをそっと動かしてみると・・・

いたっ!・・・廊下をするすると蠢くあのおぞましい姿。

どこが頭やらお尻やら知れず。上下ついている口。そしてさわさわと音亡き音を

たてるあの無数の横にはみ出した足。足。足。・・あぁぁ描写しているだけで

気が遠くなりそうです・・

 

私はラーメン少女のように(ふるっ)ケトルを持って、家人に渡します。

その熱湯を意気揚々とムカデにかけまくる家人。

みるみる間に縮んでいくその甲殻。

「冷静に見ると、これってすごく残虐な行為よね。」と私。

「そうだけどなら、ならそっとつまんで外に逃がしてやる? 気をつけてお帰りって。」と家人。

日頃とは打って変わって、ブルフルと頭を振るだけの私。

 

はい。夏大好きの私が唯一耐えられないのがこの「虫」たち。

虫と名の付くものは大っ嫌いです。

もしも、熱帯雨林のジャングルで一人残されたら、発狂する前に死にます。

 

熱湯で縮まったムカデをティッシュに包んで外に持って行く家人。

唯一、私が彼のことを認めるシーンです。

後で聞いたところによると、外でマンホールに擦りつけて前後を潰したそうです。

 

 

我が家は20年ぶりかで、今年「シロアリ退治」の撒布をしたばかりなのです。

私はシロアリなんていないと思っているけど、それやったらムカデなんかの

虫よけになるからやりますとハウスメーカーの営業さんに言ってからまだ僅か

3か月。こんなことって・・こんなことって・・・

 

しかも、このサイズのものはもう20年とは言わないくらい前に見て以来ことです。

その上、ご存じの方は多いでしょうが、ムカデって必ず番いでいるので、

一匹いたら必ず付近にもう一匹いると言われているんですよね。

・・・・ハウスメーカーに対する怒りがふつふつと湧いてきました。

そりゃあ、言っても詮無いこととは知っています。でも、でも、でも・・

言わずにはおれない。気持ちが収まらない。

 

「今日はお休みだよ。それに電話してもあとの一匹探してくれるわけじゃないし

出たらその時、また退治するしかないでしょ。」と家人。

この一見鷹揚な態度は、まだ刺されたことがないから言えるのだと私は踏んでいます。

もちろん私も、刺されたことはありませんが。

この日から、戦々恐々の日々が続いています。

まずクローゼットに入るのは深呼吸してドアを開け、周囲を見回してから物を取る。

スリッパには無防備に足を入れない。

洗面所は壁と天井を確認してから用足しをする。

・・・・これってなかなか大変です。

こうなったら、もう一匹と早く遭遇したいくらいです。

私はこうして「待ち」の時間を過ごすことも、苦手です。

ここで最終決戦のご報告が1日も早くお話できますように・・・(祈)

 

 

 

 

 

 


フリーダイヤル 0120-039-242