ゴッドファーザー
我が家では映画は録画してみるのが習慣になっています。
こういう仕事ですからいつ相談電話が入るや判らず、しかもいつ終わるかというような
時にはどちらにも気が散りますので、映画は録画でが我が家の掟です。
ですから我が家のテレビにはいつも10本程度の映画が入っています。韓国の連ドラが入ると
もう大変。なにしろ彼の国のは一本が90分ですから、毎日仕事のように消化していかないと
あっという間に何本も溜まったりしていることもあります。
私はあの砂糖菓子に練乳かけたみたいな韓国の恋愛ドラマは好きではありませんが、
ハードな物は大好きです。特に緻密に計算されたシナリオには毎回感嘆しかありません。
群像劇のように多くの人を出しているのに、その誰もにちゃんと役割を与えているのです。
伏線回帰の見事さは、ぜひぜひ日本のシナリオライターさん達も学んでほしいと最近は切実に
願います。
そんな私たちが立て続けに三本見たのは「ゴットファザー」の三本立て。
皆様ご存じ中のご存じのアレです。
さすがにどれも3時間越えなので中一日おいて四日で見終わりました。そしてぐったり。
でも、どれも見ごたえ十分で、快いぐったりではありました。
シチリア出身のヴィトー・コルレオーネとその息子マイケル・コルレオーネの長い長い物語です。
Ⅰの主役ヴィトーのマーロンブランドはさすがの貫禄。すこししわがれた声で囁くように言うあの
迫力にはただ魅了されましたね。
リアルタイムで見た時には判らなかった大人の魅力が判るようになったのは嬉しいような、そうでないような。
若き頃を演じたロバート・デ・ニーロも素敵でしたね。マーロンブランドに似せて声をしわがらせた
役作りには映画俳優に意識の高さを感じました。もちろんもう一方のマイケルを演じたアル・パチーノも
劣るはずがありません。彼は出ずっぱりで彼こそがこの映画の主役であることは間違いないのでしょうが
相手が悪かった・・(笑)
そして女性陣では何といっても、マイケルの妻役のダイアン・キートン。魅力的で聡明な女を
存分に見せてくれました。心情的には理解不能の点もありますが、これがあの時代の女の
知恵と勇気と思うと収まります。
こうして書いているだけで、興奮が蘇ってくるようです。
やっぱりハリウッドが力のあったあの頃の大作は面白い。邦画はどうやっても勝てない。
たとえ、佐分利信でも三船敏郎でもあのマーロンブランドの貫禄と魅力には勝てない。
・・・私はほんとはチャールトン・ヘストンのファンだったのですが、彼が全米銃協会の会長と
知った時点でファンやめました。
こんな映画は何度見てもいいですが、気力と体力と時間がいりますから、何年かに一度でいいです。
それもこうやって録画して自分の時間の中だけで見れる・・なんという贅沢。なんという幸せでしょう。
でも・・何年かに一回となると、自分があと何回見れるか・・
そう思ったら、なんだか急に悲しくなりました。死ぬ前に「ゴ、ゴッドファザーが見たかった」と
言って死ぬのもねぇ・・・