食通

2023年01月28日

寒い日が続いております。息子の北海道の友人から札幌の高速道路上でのホワイトアウトの

動画を見た翌日、我が家の周りにもうっすらと積雪がありました。

息子に(東京在です)写メ送って「北海道の方がみたら鼻で笑うよね」とコメント付けたら

しばらくして「鼻でわらった」と返信がありました。

送ったのか・・この写メ。これくらいでじたばたしてるのを想像したら、そりゃ

笑うでしょうね。私なら鼻どころか歯牙にもかけません。

北海道人は心が広いです。

 

さて、昨夜見るともなしにテレビを点けていたら、木村拓哉さんが出ていました。

昨日公開の「レジェンド&バタフライ」の宣伝の為でしょうね。彼のような国民的スター

であっても自分の仕事に最後まで努力する姿は好きですね。

自分は番宣はしないとカッコつけている俳優氏より、よほど好感が持てます。

はい、私は努力すね男や女が好きなのです。

 

その番組の中で京都の「安参」が紹介されていました。知る人ぞ知る京都の名店です。

家人も行きたいと、ずっと言っています。

このお店が名店であることは知っています。ここで修業した方が独立して出したお店は

何回か行きました。それはそれは美味しかったです。

弟子筋でさえそうなのですから、親方ならいかほどと、私も思いました。

 

でも・・でもなんです。

ここは一見お断りとは銘打っていませんが、そういう風情は思いっきり漂わせています。

少なくなったとはいえ、京都ではたまに見ますよね。一見お断り風の佇まい。

名前は言いませんが、あの有名な橋のたもとにある中料理店も、いつ予約電話入れても

「その日は満席です。」当日行くと「今満席です」

表立っては書いていませんが、そういう店だと私は認識しています。

 

常連さんを大切にすることは、私も同感です。

そういう方がいてくださってお店は存続するのです。

若い頃は、そういうお店に私も行きたかった。どうすればそこに行けるか

真剣にいろいろ考えたものでした。案外観光バスのコースになっていたりするんですよね。

行くだけなら、通常のサービスを期待しないなら、それで「行った」という気持ちは

満たされます。

 

でも、もうこの年になると、そういう気遣いの必要な店には行きたくないのです。

私は食べる量が少なめなので、たいてい食事を残します。

食べきることがこの世の善のすべてと考えている家人とはよくこれで衝突していました。

でも、食事は楽しんでするもので、努力したりがんばったりして食べるものではないと

私は思っています。

ですから大食い番組は嫌いです。ただ、ギャル曽根さんの綺麗な食べっぷりにはいつも

感心しています。彼女の時は見ますが、口の中にパスタやパン、ごはんやハンバーグを

詰め込むように食べているのを見るのは大嫌いです。醜悪。

・・話が逸れましたので戻ります。

 

それ故に私はカウンターで食べるのも、あんまり好まないのです。

店主さんが自分の作ったものを出して、それを残されたらいやでしょ。

店主さんに気を遣いながら、こっそり私の分を同席の家人や息子に振り分けているのも

もういやです。なんで自分のものをこんな後ろめたい思いて゜処理しないといけないのかと

思うと、めんどくさくなってしまうのです。

 

なので、もう一見お断りのお店に行こうなんて気持ちはこれっぽっちもありません。

私も初見のお店はお断りです。

ただ、どなたかがお連れ下さるならそれは別ですよ。私をそれに値すると思って

お連れ下さるのですから、それは有難くお受けしますとも。

 

かくも左様に、物ひとつ食べるにもいろいろな思いが交錯する本当に面倒な性分です。

そういえば、安参の弟子筋のお店は何年か前に廃業してしまいました。

そのお店のおかみが「うちはメインの前にお酒の注文はお断りしています。料理を美味しく

食べていただきたいので」と言った、至極正論を私はいつまでも覚えています。

お酒を出せば、楽して利益があがってもそれを善しとしない。これこそが京都の料理人の

矜持ではありませんか。

 

・・あ、でもそのお店は、近江の方だったんですけどね(笑)。。。

 

 


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