ゴディバ

2023年02月15日

昨日はバレンタインデーでした。

近年は「自分チョコ」が主流でひところの義理チョコなるものはすっかり影を潜め

海外の高級チョコレートが店を連ねています。

私も一応儀礼として家人にゴディバ。娘には同情のゴディバとふたつ買い求めました。

私はバレンタインというより贈答のチョコレートはゴディバと決めております。

 

かつてまだ私が鬼ババではなく、多少の優しさと恥じらいを持っていた頃、そうあの頃です。

横浜にランドマークタワーが建ちその地下にゴディバの直営店が入っていました。

田舎者の私たちとはいえ、ゴディバの名前は知っております。

ここで披露するのもなんですが、私はチョコレートの消費量においては、同世代の闘いなら

全国ベスト100には入ると思っております。県大会ならベスト10レベルです。(これが自慢かと問われれば

ちよっと気恥ずかしいのですが、それくらいチョコレートが好きということでお納めください)

 

その私が期待いっぱいに訪れたのがそのランドマーク店。

宝石のように並んだ煌びやかな褐色の珠。それは思わず目がくらむような美しさでした。

そしてそのお値段にも・・

一粒が500円。もちろん300円もありましたが、その衝撃に目が500円に貼りつきました。

・・・ひ、ひとつぶですよ。あの当時高級だった森永ハイクラウンチョコレートが

薄い金塊型のチョコが四本入って100円の時代です。

躊躇しました。当時から後先考えない即断の女でしたが、さすがに考えました。

その時です。後ろからすっと私の隣に立ったチャコルグレーに細いストライプのスーツの男性。

今でも覚えています。当時の私から見たら素敵なおじさまです。

その方がショーケース指差して、これと指摘。

向こう側の都会風のこれまた素敵な店員さんがにっこり笑って一粒ショーケースの上に差し出すと

おじさまはなんの躊躇もなくそれを口に放り込んで、自然に支払いをして自然に去っていきました。

そのあまりの自然なお振る舞いに、私はただただ茫然と眺めるだけでした。

 

そしてハッと気づきました。そうなんだっ。

こういう高級チョコレートはああやって食べるんだ。パカパカ何個も食べるんじゃなくて、

さらっと食後のデザートとしてさりげなく食べるんだと思い知りました。

 

これが正しいのかどうかは未だ判りませんが、この時の気持ちのまま私は年を重ねて参りました。

そして私の中のチョコレートランキングにはゴディバがゆるぎなく今も立っております。

シャンボールエバンも食べました。リンドールはコストコでいやになるくらい買っています。

でも、ゴディバには敵わない。

しかも、今年家人に指摘されて初めて気づきましたが、ゴディバは殆ど値上げをしていない。

一粒500円はあの時のままです。これもびっくり。(今更・・なんですけどね)

 

ホントに長く生きているといろいろな思い出が山積みされていくものです。

折々にそれをひっくり返して埃を払って、あの時の自分に還るのはなかなか楽しいものです。

家人に渡した半ば私のものでもあるチョコレートを一個口に入れたら、昔話がするすると

溶けて流れ出すようです。

「あ、それボクが食べようとおもったのに・・」の声はムシ。

ふん・・伊達にゴディバと仲良くしてないわよ。この中のどれが一番美味しいのか、私には

わ・か・っ・て・る。ふふふ。。。

 


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