男の更年期

2023年04月03日

四月に入ると、陽射しは一気に夏に近くなってきました。

うふふとほくそ笑む私の隣で、家人は憂鬱そうな顔しています。

「もしかしたら、更年期かもしれない」と、ぼそっと言います。

男性の更年期障害を知ったのは、私の年上の従兄が罹ったからです。

私より七歳年上で、子供時代は大好きなお兄ちゃんでしたが、年月とともに敵対しあい

はては叔母の葬儀で罵り合った関係です。今更ながらお恥ずかしい・・・

若気の至りとはいえ、あの時私には罵り合う理由があったのです。このことは今でも

後悔はしておりません。

 

それ以降は疎遠にしておりましたが、父の葬儀に来てくれました。10何年振りの彼は

見誤るばかりの豹変ぶりでしたね。私の知っている傲岸で気難しい職人の面影は一欠けらも

感じませんでした。

背を丸め、黙ったままで父の枕元に座る姿はなにやら声がかけられなくて。

私が遅くして生まれた子だったので、彼は甥として父に可愛がられて育ちましたから、

私といくら葛藤があったとはいえ、来てくれたようです。

 

尤も、父も私と彼とが言い争った時「これ(私のことです)は、気が強いからなあ。言うても

引かんのや。」と彼の肩を持ったことを私は忘れません。

・・いつまで覚えてんるやと息子は呆れますが・・

ま、そんな彼が当時罹患していたのが「男の更年期」です。

 

いつものように前置きばっかりになってしまいましたが、その「男の更年期」が

時折テレビで聞かれるようになったのは最近のことです。

 

これは女性が男性化したように男性も女性化したのでしょうか。

それとも、お互いの中の異性が、昨今のジェンダー神風で、吹き飛ばされてしまった

せいでしょうか。

こんなことまで、男女同じにならなくても・・なんて呟いたら、昨今は性差別と

糾弾されかねないご時世ですものね。

 

家人の一言で、こんなことを思い出すなんて、私の、本当に私的な恨み言です。

忘れられないって、ホントに不幸です。。。

 


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