行動力
線状降水帯が九州を上下している間に、夏はやってきたようです。
何時の時代でも七月は本格的夏の始まりと決まっています。年ごとに厳しく感じることは
否めないにせよ、私はまだまだやっぱり「夏が好き!」です。
くらくらする夏の太陽の洗礼を受けながら、右往左往するのはそれはそれでいいものです。
年甲斐もなくと言われても、究極、夏の太陽にじりじり焼かれて死ぬのと、吹雪の八甲田で
雪に塗れて死ぬの二択と言われたら、なんの躊躇もなく焼け死にます。
今朝、出勤の途中でずっと前の身障者施設の前を見ていると、中から高校生くらいの男の子が走り
出て、続いてお母さんか指導員さんかは判りませんが、エプロン姿の女性が手を
伸ばして彼の腕を取ろうとしたのです。しころがタイミングがいいのか悪いのか、すっぽり
抜けてしまって、彼は門を飛びだしてしまったのです。
すぐに追いついた女性ともみあいになり、門の前で力づく攻防。
私は反対車線を走っており「あの子危ないなぁ・・」と呟きながら、対向車を見ていました。
対向車はもっと危険を感じたのでしょうね。ぐ~んと対向車線をはみ出して避けています。
それに応じて私の前の車もその前の車も思い切り左寄りになります。
攻防中の二人はそんな周りは見えないのでしょう。捕まえたり振り払ったりしながら
車道にも出てきたりを繰り返しています。
スピードを落として走る周囲の車も、恐る恐るですが、停車してその援助をする人はいません。
私もできなかったので、ここで言う資格はないのですが、こんな時手伝う勇気以前に
「できるのか、できないのか」という根源的な問題に突き当たります。
それはたぶん周囲のみなさんも同じでしょう。
「助けて」と乞われたらできます。
「こうして。」と指示を下さればなんとかそれに叶うように行動はできるでしょう。
でも、突然に自分の力が及ぶか及ばないかの事態に遭遇したとき、ヒトは無力です。
子供にどんな高邁なことを垂れていても、自分がこの有様ではほんとに「口だけおババ」に
なってしまいます。
そんなことを考えながら、その場を通り過ぎました。
出勤時間ということ、対向車線ということ、口の割には力はからっきしであること、
こんな諸々のいい言い訳を叩き潰す行動力を死ぬまで持っていたいと思いながら
自らを鼓舞してこのブログを綴っています。。。