私の時間を返して

2024年02月26日

この三連休はお天気に恵まれず散々でしたね。

どこにも行かないのも癪なので、中日に久々、映画に行って参りました。

「身代わり忠臣蔵」

東映時代劇最盛期の切れ端を体感している身にとって、忠臣蔵は今までの人生の中で

何本、いや何十本見たか判りません。外伝も入れれば、大げさでなく三桁に乗るのではと

思います。

 

なにしろ私の子供時代、市内に映画館は八軒か九軒ありました。市内だけでです。

しかも両親は無類の映画好き。私の父などは、若き日に上原謙さん(加山雄三さんの父君です)の

「愛染かつら」を16回見たというのを自慢にしておりました。

なんの自慢やらとは思いましたが、よく考えてみればこれはなかなか破れないレコードで

あることは確かです。真似しょうとは思いませんけどね。

 

そんな両親と環境に恵まれ(?)私も幼きころからの映画好きで、ほぼ毎日どこかの映画館におりました。

また、あの頃はなんとも大らかで、映画館の途中入場OK。何回見てもOK。子供は椅子がなければ

スクリーン前の台座に座ってみても、誰も何も言わない時代でした。

しかも、もう時効であろうからばらしますが、従兄の家が映画館の隣にあり、その従兄宅の二階から

映画館の二階試写室に通り抜ける穴があり、なんであったのかは不明ですが、そこから

私達子供はよく出入りしていました。

映写室のおじさんたちも、そんな私たちを責めるわけでみなく、つまみ出されることもなく、

まして親を呼び出すこともなく、おめこぼししてくれた時代でした。

 

いつものように長い前置きはもうこれくらいにして、さてこの「身代わり忠臣蔵」

なんで今私のココロ揺さぶったかというと、数多視た忠臣蔵の外伝の中で、吉良上野介が

死んでその身代わりが討ち果たされる(・・のではないのですが)という設定に心が揺らいだのです。

今までにない設定かな・・と。

ムロツヨシさん主演というのも興味ありましたが、永山瑛太さんが大石内蔵助というのが

とても斬新に思えたのです。

私はこの永山瑛太さんという俳優さんは好きです。

かつて大河ドラマで「小松帯刀」を演じたころからのファンです。

正義の人も悪い役も、喜劇もサイコな役柄もできる人と、彼の出る映画やドラマは愉しみにしています。

そして、まだ若い、私のイメージの中では、間十次郎でも、前原伊助でも、なんなら堀部安兵衛でも

違和感のない世代の彼が、大石を演じるという興味が、私の背中を押しましたね。

 

そして、途中で寝ました。私も家人も。家人などいびきの音が洩れそうで、足を踏みにじって

起こしました。

喜劇でも、シリアスでもない展開は、もはや退屈以外のなにものでもありません。

くすっと笑う処かなとは思っても、周りの誰一人そんなそぶりは見せません。

ただ、中途半端なドタバタと、取ってつけような人情と正義がラストに詰め込まれて終わりました。

残念です。期待が大きかっただけにとても残念です。

 

ちょっと出るだけでも、あれだけのインパクトを残す、永山さんの持ち腐れです。

エンドロールを見ると(私はこれが大好きで、ツウぶってエンドロールの途中で席を立つ人は

損してるなぁとつくづく思います)原作者とシナリオライターが同じ方のようです。

では、作品の意図は間違いなく伝わっているのでしょう。なら、なおさら残念です。

本よんでから、行くかやめるか決めたらよかったと、しみじみ思いました。

 

尤も、こういうものは好き好きですから、あくまでこれは私の個人的感想です。

でも、悪天候の三連休の中日のこの損失は、なんだか勿体なくてここで吐露してしまいました。

残り時間の計算しながら生きる身になると、こんな少しの損失も惜しくてなりません。

私って究極の「ドケチ」なんでしょうか。。。

 


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