ゴシラ監督への敬意をこめて
前回、散々アニメをディスっておいてなんですが、昨日「ゴジラ−1.0」を見に行きました。
なんたって宝田明さんのゴジラ映画から知ってます。・・円谷プロの名作中の名作ですね。
以来、数多のゴジラ映画を見てきました。見るに堪えないモノも多々ありました。アメリカの
妙に実写な故にグロテスクなゴジラも見ました。
そして、半ば失望して幾星霜・・
あの、「シンゴジラ」でゴジラ愛は復活しました。少しも興味も敬意もなかったエバンゲリオンが
急に名作に見えるようになりました。
もちろん、あのシンゴジラを監修した庵野秀明氏ゆえにです。
その私がたまたま、その時に見逃してしまった「ゴジラ−1.0」
それが、日本アカデミー賞の威光なのか、本家のアカデミー賞の恩恵なのか、急遽私のすむ
地域のイオンシネマで三日間だけ上映することになったのです。
もちろん、これは見逃せません。最終日のど真ん中の席ふたつ。
ポップコーンも塩とバター塩のダブル。コーラもトイレの不安と戦いながらの購入。
・・・いやぁ、良かったです。本当によかったです。
エンドロールが終わって思わず拍手したくなりましたもの。そして会場が明るくなっても
誰も立たない。ま、高年齢層なのですぐに立てないという肉体的事情もあったかもしれませんが。
設定は昭和20年終戦直前の式根島からはじまります。
特攻を機体の不備で島に着陸した神木隆之介クン。でもそれが特攻を回避する理由付けで
あることを知っている青木崇高サン。
後は・・見てからですね。・・
私はヒロインの浜辺美波さんのファンでもあります。彼女は昭和顔がとてもよく似合う。
朝ドラでもそうでしたが、あの哀愁漂う昭和の憂い顔は昨今のどの若手も太刀打ちできない
でしょうね。
そして、安藤サクラさん。彼女も昭和のおばさん顔なのはさすがです。好き嫌いは別としても。
ストーリーもよく練れています。
特攻帰りの鬱積や、海軍復員兵たちの矜持。海の男の心意気とか、かつての日本人が好きだった
魂の要素を嫌味なく上手にばらまいて物語を完成させています。
そしてあの壮大なVFX。かつて特撮と言われたころの、不自然さは皆無。そのリアルな動きと
実像の確かさで、ものすごい臨場感。
見ている方はもうVFXの撮り方を知っていますから、エキストラさんの何人かは、ぎこちなく感じ
ましたが、それもそうは気にならない。むしろ、こんな時こんな人もいるかなとさえ思います。
山﨑貴監督と言えば「三丁目の夕日」とか「鎌倉ものがたり」とか、どちらかと言えばほんわり
ふんわり系のVFXが主流で、こんな大スペクタルを描けるなんて・・唖然
いやあ、映画監督って、タダモノではないですよねぇ。
たまたま、上映前にアメリカの「ゴジラ対キングコング」の予告編があって、それも思わず身を乗り出し
ましたが、思えばあのゴジラには愛がない。製作者の愛が感じられない。
リアルなだけで、本物であるというごく当たり前の論理しか通用しないのか、アメリカは!
と、思ったりしたものです。
その点、さすがにゴジラは日本のモノですよ。
庵野監督にせよ、山崎監督にせよ、日本人としての血の一部がゴジラに流れているかの
ような気さえします。
本当に、久々、血沸き肉躍る一夜でした。
こんなことがあるから映画は止められません。
見なけりゃわからないなら、見るしかないでしょ。そしてこんな夜は、同じものを見て
同じことを語る相手がいることを、しみじみ幸せと感じて、深い眠りに就くのです。
明日・・目覚めるかしら???(笑)。。。