東京バナナ
今ちょうどテレビを見ていたら「東京バナナカレー編」が海老名SAで販売中と流れていました。
我が家の息子は大学生になるときに東京に行きましたから、いまでは向こうの方が長いん
じゃないかというくらいの月日が流れています。
一年目に父親が亡くなっても、彼はこちらに帰ってくるという気はなく、私もそんなことは
サラサラ求めてなく今に至りますが、その彼がこちらに帰る度に妹へのお土産に買って
帰るのがこの東京バナナです。
当初はごくシンプルな黄色のふわふわカステラに、ちよっと粘りのあるカスタードが適当に
入っていて、うん、お行儀のいい配合だねと思っていました。
もともと、妹が好きだったとはいえ、帰る度に東京バナナです。
百貨店勤務なので、かなりレアな流行りものを買って帰ることもままありますが、それでも
その中に東京バナナは必ず入っています。
おみやげどころか、たまに一族で行く沖縄や、ハワイで合流した時でさえ、妹にと東京バナナを
持ってきました。
もともと小さな時から性格が合わず、兄妹という一昔前の少女漫画なら素敵なシチェーション(感覚が
古いですかね)だと思うのに、前世はこの二人敵同士かと思うくらい仲が悪いです。
妹は「お兄ちゃんにはどう言っても判ってもらえない」と言い兄は「何を言っても答えない。
何考えているか判らない」と突き放します。
それでも、妹が結婚すると、もう他人様の妻だからと、頭ごなしに叱りつけたり無視したりは
しなくなりました。いや、私はそう思っていますが、妹本人はどう受け止めているのでしょうね。
私と兄と妹のグループラインもしますが、ちょっと話が混みあうと、妹はフェードアウトします。
兄は社会に揉まれ、一人暮らしに耐え、会社の人間関係に学んできたと自負もしているようですし
私もそれは認めます。
ただ、それを家族に対してはかなぐり捨てます(苦笑)
それが家族というものなのか、性格なのかは判りませんが、私はそれでいいと思っていますが
妹はそうは思えないのでしょう。
いまだ、兄の事がどこか煙たいと思っているようです。
そんな兄弟なのに、東京バナナで繋がっているのです。
今は妹に子供もできて、その子らにと必ず二個以上買って帰ります。
東京バナナ、定番だけにいろいろなバージョンがいつも出ています。
チョコレートクリームだったり、ポケモン包装紙だったりします。その変形バージョンと
定番を買ってくるのです。
そして妹もそれを拒否したり、他のものをと口走ったりすることはありません。
今になって思えば、東京バナナの応酬は、この不器用な兄弟の愛情表現なのかもしれないと
思ったりもします
東京バナナが兄弟の鎹だとしたら、私が一度も口にすることがなくても、それは我慢しましょう。
二人の親として、それぐらいは耐えましょう。
それに、もしおみやげ持って帰るなら、私は「空也のもなか」がいいな。。。