愛犬の死

2024年06月20日

2日前に、我が家の愛犬が急死いたしました。

具合が悪くなって、病院に電話したり用意したりしている僅かの間の出来事に

居合わせた娘は呆然自失。

 

この日の朝、確かに具合は悪そうでした。家人の腕に抱かれてキョロキョロと

周りを見回すだけで、じっとしていることが後から思えば徴候だったのでしょう。

昨日は私のあとを付けまわり、なんどもトイレや寝室に閉じ込められていた姿が夢の

ようです。

私は朝から仕事の支度で、もう仕事モード入ったら、周りのことは見えなくなるのを家人は

知っていますから、自分が抱いていてやったのでしょう。

このまま置いて行くのも心配だったので、娘に連絡して、私たちが帰るまで様子見に

きてくれないかと言うと、彼女は2つ返事で了解してくれました。

もともと、家族の中で愛犬が一番すきなのは娘なのです。

娘も妹感覚なのか自分を「おねーちゃん」と言い、一番可愛がっていましたね。

彼女が来ると、車の音で判るのかもう待ちきれないという態度ですが、私達には案外クール

でしたね。

 

その娘が来た時には具合はもっと悪くなり、ぐったりしていたのでかかりつけ医に電話を

したらお昼休み中か電話を取らず、待っていられないと連れて行く用意をしている間に徐々に

心臓が動かなくなっていったそうです。

あまりに突然で、それからずっと腕に抱えたままでいたそうですが、大好きなお姉ちゃんの腕に抱かれての

永眠です。ここはよかったと思う事にします。愛犬にも、娘にも、そして私達にも。

 

娘の長男が学校帰りに寄っていたらしく、私たちが帰った時は二人で待っていてくれました。

旅行好きの私たちはよく娘に愛犬を預けて遊び惚けていましたが、その間に娘の家は

愛犬の別荘替わりになったようです。

娘の夫が仕事から帰ると、顔を見る前はわんわん吠えて、顔を見るときゅーんと鳴くのが

なんやら癖になるなと、彼も満更でもない様子だったそうです。因みに幼い頃に犬にかまれた

ので筋金入りの犬嫌いです。

そんな彼も情が移ってきたその矢先のことです。

 

こんな時でも、なすべきことをとまず考えてしまう、そういう性格の私は、人前で

感傷というものに耽ることはありません。

明日の荼毘の予約を取り、知人に知らせ娘を見送ったらもうぐったり。しかし押し寄せてくる

感傷の前にもう一仕事あります。

それは息子に知らせることです。横も縦も態度もでかいと家族中でカゲグチ叩いている息子は

情に弱いです。

センチです。家族中一番ペットロスに嵌まり、そこからなかなか抜け出せないタイプです。

その息子にも知らせねばなりません。

仕事中は差し控え、この時間ならと状況をラインしました。なかなか既読が付かないのは

いつものことですが、夜遅くに既読になりました。でも返信はありません。

最期の夜をひとり通夜している私には時間はたっぷりありますが、それでも返事はありません。

 

明け方になって、ようやく寝ようかなというときにピロンと受信音。

「ショックで返事かかけませんでした」と一言だけ。

 

愛犬は我が家の一人一人にこうして見送られていきました。

小さな彼女(雌犬です)は、我が家のアイドルだったことは確かですが、もうババ犬です。

でも、彼女のいない夜は静かで寂しいです。

彼女は小さなゲージに入って私の寝室で寝ていましたから。

 

それでも天命には逆らえません。

待っててね。もうすぐ私達も逝く、ここにいるみんな逝く。

私が一番最初にあなたに逢いに行くわと、からっぽのゲージに囁きかける私は飼い主です。。。

 

 

 

 


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