恐竜との遭遇①

2024年07月27日

夏休みに入ってすぐに、娘の次男を連れて福井の「恐竜博物館」に行ってきました。

次男とは初めての三人旅ですが、かれはこれをとても楽しみにしていたらしく

学校でも先生やお友達に吹聴しまくりだったようです。

二番目子特有の調子の良さと、ほったらかし躾の賜物のような子ですが、そういう反応を

見ていると、長男にはない愛らしさを感じます。

 

朝も7時に迎えに行くねを家人が7:30と勘違いして10分ほど遅れたのですが、自宅の前で

娘と長男と三人で7:00前から待っていたようです。そして二人の見送りにごきげんで

車の助手席に乗り込み、出発です。

 

福井までの距離は長い。橋を渡り高速を飛ばし、かつて私が母だったころにやった

他車のナンバー地名集めをやりながら、トンネル息止めを繰り返します。

長くても短くてもやるので1000メートル以上はなしねとルール決めましたが、とても1000メートルでも

持ちません。

「あ、520だって余裕だね」

彼はスイミングスクールに行っておりますが得意は「もぐり」

はい。息止めは得意中の得意。

比して私も家人もよる年波に、心臓も劣化の一途。とても敵うはずがありません。

そして敵わないものに、費やす労力は極力避けたい。

後ろシートを幸いに、何回かはそっと息継ぎしました。

ごめん・・大人はずるいです。

 

子連れなのでいつも以上に短めに休憩を取り、福井に着いたら今日は東尋坊に行こうね。

なんて話しながら進む車が急に止まりました。

そして後ろから緊急自動車のサイレンの音が迫ってきます。それも複数。

高速道路上ですから、いやな予感しかしません。

少しづつ進んで、車はトンネルの中に・・でも、入り口から100メートルばかりで車はとうとう

止まりました。

最初に止まった時から、携帯とりだして情報収集しょうと思っていたのですが、なんとアンテナ1

そしてもちろんここトンネル内も1。外で1が中で5なんてあるはずもないのですが。

緊急速報の番号も繋がらない。

あれれ・・困ったな。と思っていると、後ろから何台目かのパトカーがトンネル内の割れる

ような音響で「ただいまトンネル内に火災が発生しています。鎮火しだい運行開始しますが

それまではこのままでお待ちください」とようやく聞き取れる声で走り去っていきました。

 

そうか・・やっぱり火事なのか。でも、ま、ああやって行くところ見たら、もうすぐ再開ね。

なんて思いながらも時間は刻刻とすぎていきます。

その前になんとか情報をとアンテナ1にも拘わらず、娘から情報得ようとかけまくって、なんとか

繋がって一言、二言でぶちっ。を繰り返しておりました。

娘宅の家電にもかけましたがそれもダメ。

 

「あー、あー、もう待つしかないね。こんな時こそしりとりでもしょうか。」

しりしり大好きな次男は大喜び。

食べ物に限るとか果物に限るとか、自分で自分の首絞めるような課題を提案します。

あほか・・この私にそれを挑むかと思いつつ、優しいおババのふりをしてそれを

のみこみます。時間潰しですから、なんでもいいんです。

ここは大人の余裕を見せましょう。

延々続くしりとり。そしてそれにも増して延々続く停車時間。

気が付くと一時間は過ぎています。

 

「もう、今日の東尋坊は無理ね。」

「じゃ永平寺いく?」

「ダメよ。私は天井絵みたいけど、曹洞宗のお寺だから静謐なのよ。こんなの(次男)

連れていける雰囲気じゃない。」と一蹴。

小学生以下の子供が行くところではないと私は思っています。

あれ・・うちの子は小学生だったっけと思い出しましたが、まだ躾がなされて

いました。静かに待つことができます。・・やっぱり大人はずるい。

勝手に記憶も入れ替えるんだと、次男の心の声が聞こえた気がしました。

 

そして一時間二十分ほどして車列は動き始めました。

ようやく、しりとりが終えられます。車が動くまでという約束なので・・

トンネルを出たところが娘に連絡。

火事だったと言うと

「ええっ!  そうだったのね。〇〇(次男の名)がずっと動かないなら(娘は次男に

GPS持たせています。迷子防止に)、あんまりいう事聞かなくて、とうとうあーちゃんの

逆鱗に触れて、置き去りにされたのかと思ったわ。」

・・・・は・は???

なんですと。置き去り・・私が。

そ、そりゃあ何度も「このクソガキ(すみません心の声なんで言葉の悪いのは

お許しください)なんでこうも言う事聞かないのよ。しかもこのマナーの悪さ。

親の躾がなってないわね」と思いましたよ。

しかし、考えてみればその親を躾けたのはこの私。

これは天に唾吐く行為と自らを宥めましたわよ。なのに、なのに・・

その親の心子知らずなこの娘の言葉。今すぐ車を止めて次男放り出してやろうかと

一瞬思いました・・

思い直して

「何言うのよ。確かにあなたの子は言う事聞かない。手に負えない。でもそれも

これも親の躾が悪いんだから子に罪はない。罪なき子を放り出してはおけないわよ。」と

言うと、なんと娘は

「ハイハイ。そーですね。」

なに? この受けの軽さ。・・・再びこの子を放り出そうかと思いました。

感づいた家人が少しスピード上げた気がしたのは考えすぎでしょうか。

 

それは心のにおさめて「火事と聞いたから情報が欲しいと思ってあなたに電話したかった

のだけど、役に立たなかったわね」と言うと

「そうね。杉津トンネルみたいよ。」

「あら、もう判ったの?」と私はびっくり。

「火事と聞いた△△(長男の名)が、Xで検索してくれたの。動画おくるわね」と

あっという間にその動画が送られてきました。

確かに、ついさっき私たち通ってきた道です。

インターネット・・こうやって使えよ。みんな!

と。叫びたくなりました。犯罪や誹謗中傷などに使い回されているネット環境。

こうやって使えよと、ネットに代わって悪用する人たちに代弁したい気持ちになりました。

 

ということで東尋坊は明日に。

今日はそのままホテルに入ります。次男はどうなってもルンルン。

このポジティブ思考はたいしたものです。母親に授けたくて私が授けきれなかったものを

彼は持っているようです。

あらら・・恐竜紀行が恐竜に辿り着くまでに、時間切れになっちゃいました。

この続きは「恐竜との遭遇②」で。

では一旦失礼いたします。。。

 

 


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