パンダとジンベイザメに捧げる

2024年10月03日

ここでこれ書いちゃうと、また世の反発や非難を一身に浴びそうな気もするのですが、

どうにも自分の気持ちがモヤモヤと蠢いて、収まりそうもありません。

 

まずは何日か前の、上野動物園のパンダ。中国に返されるとあってファンが詰めかけ、輸送の日には

夜間にも拘わらず、いい年の男女がスマホとハンカチ片手に、飛行機に手を振っているのが

その日のニュースで流れました。

「元気でね~」とか、うぉ~とかの声も洩れ聞こえます。泣き声も混じっています。

これ・・みなさん大人ですよ。しかも見るからに50代前後。

若い子も年寄りもいません。いや、いたかもしれませんがこの中では少数派です。

つまり、働き盛りの男女が夜半にパンダが中国に帰されるのを、涙をぬぐいながら見送っている図です。

・・・・

私は言葉もなくその図を見続けました。

パンダの第一号は「リンリンとランラン」です。

はじめて日本に来た時は、それはもうもの凄い人気で、ちらっと彼らを見るために、長蛇の列を堪え

一瞬のタイミングに期待し、溢れかえりそうな人出を覚悟しなければなりませんでした。

本当にお祭り騒ぎ。

そして、あまりに過保護な飼育と、干渉でなかなか子宝に恵まれず、妊娠した時の大騒ぎ。

「ご懐妊」なんて、あまりにふざけたタイトルつけていた週刊誌もありましたよ。

もともと、そういう人出が好きではない私は、一年後に行きましたが、確かに

そのころには、はゆっくり見れましたよ。

 

パンダを日本で一番最初に紹介したのは、確か黒柳徹子さんだったと思います。

黒白の愛らしい・・でも、熊ですからね。かれら・・

しぐさは本当に可愛いです。本物のぬいぐるみが動いているようなぎこちなさが、なんとも言えません。

私だって好きですよ。

 

なんならついこの間も、王子動物園まで見に行きました。時間制限されているとはいえ、上野よりは

ずっと自由で悠々と見えました。

 

にしてもです。借りているパンダですから、返還は決まっていることです。

そりゃあ、なごりを惜しむ気持ちも判らなくはないです。

でも、いい年のオジサンとオバサンが大挙して飛行場に押しかけ、泣きながら手を振って別れを

惜しむなんて・・ちょっと異常だとは思いませんか。

子供たちなら判ります。愛らしいとも思います。

でも、オジサンオバサン見ても・・あほかいなと思うばかりです。

 

あの場に参加した方がもしこれをご覧いただいていたならごめんなさい。

でも、あんな夜分に家族を置いて、家族が一緒かもしれませんけどね。パンダにハンカチ振りに来る

母親や父親・・私が子なら醒めます。

これは、犬や猫を可愛がって飼育するというのとはちょっと違うと思います。

パンダは育てられませんからね・・

日本人の幼稚化は、私が思っている数倍の速さと広がりをもって浸食しているのではないかと

思います。

 

遊びのお誘いには、まず乗ってみるというのが私の人生ポリシーですが、もし「パンダ、お見送りに

行こうよ」と誘われたら即お断りします。

そしてそのお誘いくださったお友達とも距離を取ります。なんならもう連絡不可でいいです。

 

そう思っていた矢先、

今度はジンベイザメです。海遊館で五年飼育のジンベイザメを高知の海に帰すのだそうです。

なぜ・・

水族館で育てたジンベイザメがどうやって海に放たれ、くらしていくのか教えてくれたら嬉しい

ですねと、館長さんだかがコメントだしていましたね。

なんでも一年間、行動を把握してデータ取るのだそうです。それGPS付けて浮気夫の行動管理するのと

どう違うの??

「教えてね」って、ジンベイザメ君が教えてあげるよと言ったのですか。

水族館に収めたのも、飼育したのも、海に放つのも、それって人間のエゴではないのですか。

絶滅危惧種の保護とは言いますが、それは誰に許されるのですか。

種を増やしたりする権利はあるのですか。

 

私はジンベイザメに親戚がいるわけでも、彼らと言葉を交わせたりできる訳ではありませんが、

本当に、かれらが(放たれるジンベイ君が)それを望んでいるのでしょうか。

やっぱりそのジンベイ君を乗せた特別製の水槽トラックを見送る水族館の人たちが手を振る後ろ姿を

見ていると、真に失礼ながら「お魚オタクの自己満足」と、私の中でテロップが出るのです。

 

私は自他ともに認めるミーハーで「流行りもの」には頗る弱いです。

一目見たいですし、そこに行きたいとせつに願う性質の人間です。

でも、それ以上には深入りはしないようにしています。一目みれば満足です。それで、私の見た

パンダがどこかで生きていてくれればそれでいいです。

ジンベイザメに海で会えなくても、それは仕方がないと言い聞かせられます。

私は私、彼らは彼らで生きることを、邪魔したくはないですし、されたくもないです。

思い込みは、相手に迷惑・・と思うことは間違っているでしょうか。。。

 

 

 


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