映画三連発
あれよあれよという間に七月になりました。
例年にない速さの梅雨明けの効果は絶大で日々茹だるような、溶けるような暑さの中を
生きております。
半退役の私は、こんな時有難く思います。
そして暑い時こそ、映画よっ!と、かつての東映時代劇少女は心を奮い立たたせ、暑さの中イオンシネマに。
しかも、三連チャン。
「国宝」「フロントライン」「ドールハウス」
いやぁ、日本映画もなかなかのものです。
まず「国宝」
大方の評価は高いですが、これだけの映画になると、思わぬところから非難の声が
あがるものです。
綺麗だけど歌舞伎の所作がなってないとか、踊りの場面がやっぱりねとか・・
何を知ったかぶりを・と腹で笑う私は吉沢君のファンではありませんが、これを見て
ファンになりました。
彼は時々、ちよっと癖のある役をしていましたが、その美しい顔が邪魔してか、演技力の前に
見た目のインパクトで評されるのは、今にして思えば気の毒でした。
国宝は前述しておりますのでこれくらいに。
そして「フロントライン」
これはあのコロナ禍の時に、生贄のように横浜港に晒された、ダイヤモンドプリンセスの船内の
物語です。
DMATと呼ばれる「災害派遣医療チーム」が主体で、キャビンクルーと、彼らを支える厚生省やら
なんやらの事務方。手を差し伸べる医療者。
事実であるだけに、頷きながら実感しながら見れます。
チームリーダーの結城さんには、小栗旬さん。「あなたとハミン〇~」なんて歌って、仕事から帰った
サラリーマンのお父さんが、家族の洗濯しているCMをやってますが、あまりの嘘っぽさに
「小栗旬があんなことするはずないでしょ」と嘯いて見ていた私ですが、この映画で見直しました。
・・もう事実と物語を混同する様になったのかもしれません(笑)
そしてなにより、私の心に迫ったのはあの窪塚洋介さん。
彼はいろいろなことがありながらの今日まででしたが、今回のこの役は、すっと昔のパーツに嵌まったという
かんじです。
かつて、長瀬智也さんと共演していた「池袋ウェストゲートバーク」の「タカシ」が大人になって
帰ってきたかと思いました。
軽さと、ホンネと、厳しさの塩梅が絶妙になったセリフは痺れます。
(そういえば、池袋ウェストゲートバークには小栗旬さんの出ていましたね。ちょっとした
役で・・)
長い沈滞期間があっただけに、彼のこれからの活躍は愉しみです。
ラストシーンも彼でしたし・・
そして、昨日行ったのが「ドールハウス」
いやぁ、ジャパニーズホラー最高。
家人はホラー映画は怖いので行かないというヒトで今回も私だけ
いくはずだったのですが、何を血迷ったか「行く」と言うのです。
始まりは16:20
終わりは18:20って暗いよ~ってそんなはずないでしょ。この真夏の日の18:20
ギンギラギンに明るいわよっ。むしろ逢魔が時よねと脅したのですが
意味が判らないようで・・残念。教養なくあさはかに生きるということは
楽天的ですな。
物語は亡くなった子供の身代わりの人形が実は人形師の魂の入った生き人形でと
ホラーではわりとありきたりの内容。なのですが、
出演者が凄い。長澤まさみさん。瀬戸康史さん、風吹ジュンさん。田中哲史さん、安田顕さん。
子供以外はなかなかの手練ればかりでしょ。
そしてこういう人たちが真面目にこういう物語に対峙すると、この話の信憑性がどーんと
はねあがって、怖さが増すという気になります。
ラストシーンで家人は「これ続編ありますって言ってるやん」と声を震わせますが、
このラストはホラーではおなじみのもの。
そうですよ。こうでなくっちゃあというものです。
「あんまり怖くで手を握ろうかと思ったよ」というので
「あら、握ればよかったのに。あの人形みたいに歯形がいくくらい噛みついてあけだわよ。
リアルホラーね。ふふふ」
その夜は、二人とも一言も話さず、まんじりともしないまま夜を開けたのは家人です。。。