成長の兆し

2025年08月29日

もう夏休みも数える頃になりましたが、娘の次男を連れて淡路島に行って参りました。

小3の彼は「どこでもいい」などと殊勝なことを言っており、大人の都合で淡路に決めました。

万博行くにはこの暑さと人出に怖気づき、東京ディズニーランドと考えただけで頭がクラクラ

するほどの太陽が輝きました。

要するに、子供の体力と希望と想像に大人はついてはいけないということです。

 

自分たちが万博に行っておいてなんですが、この真夏日の中、子連れでパビリオンを巡る旅は

自信がありません。というより「いや」です。

もうこの年になると、誰かに合わせるなどということは日々できなくなります。

ましてや、動きまくりの小3に合わせるなんて、考えるに恐ろしいです。

 

で、考えた末に決めたのが「国立民族博物館」通称「みんぱく」です。

ここは、現在開催中の万博の中での「コモンズ館」によく似た造りで、世界中の民族。文化・生活

歴史の品々が展示されています。

高速道路の吹田インターを走っていましたら、太陽の塔がずっと変わらない表情で見えますが

その真後ろぐらいに民族博物館はあります。

要は、昔の万博会場跡地です。

広い駐車場に悠々車を停めると、館内に向います。

案内人さんもガードマンさんみなさん笑顔で挨拶されてとても気持ちがいい。

そして広い。展示物が多い。コモンズ館のようなと言いましたが、なんのなんの。

こちらは世界中ですから、歩けども見れども、展示は延々と続きます。

その中には楽器のコーナーもあって、何百本と並べられたギターに興奮する家人。

さすがに国立博物館・・なかなかのものです。

 

「ここに来たら、夏休みの自由研究楽勝やない?」という家人の囁きに納得したものです。

オリエンタルからエキゾチック、近代から古代。そして日本の展示も、アイヌから沖縄。日本の祭りまで

多種多彩。ここでは、ねぶたの山車まで展示されてラッキー。

新居浜の太鼓台もありました。

もうお腹いっぱいというほど回って、大人も子供も満足感で一杯。

万博のお口汚しみたいな計画かと、一瞬思いましたが、来てよかった場所のひとつに

なりました。

 

実はこの前に、宝塚の「手塚治虫記念館」にも寄っておりまして、ここもなかなかに

楽しかったです。中にはアニメ制作ができるブースもあって、中高生もかなり来ていました。

この頃から、こういう本格的な体験ができるという事は、幸せな時代だと思います。

私は小学四年で漫画を止めて、それからは小説一辺倒ですが、唯一手塚治虫氏の作品だけは

読んでいます。物語性や創造と制作力に一目も二目も置くからです。

特に「アドルフに告ぐ」は、ヒットラーの生涯を、日本人として世界の中から書き、その

視野のグローバルさに酔いしれたものでした。

宝塚SAに、宝塚歌劇団と手塚治虫記念館が併設された時に、「火の鳥」のビーズ盾を

買ってきましたが、仕事中はずっと机上で私を見ていました。

 

娘の次男とは昨年の夏休み、福井の恐竜博物館に行きましたが、そのあとで「もうあなたみたいな

食事マナーの悪い子とは一緒に旅などしないわっ。」と、大人げなく宣言したものですが

さすがに子供の一年はたいしたものです。

去年のことが嘘のようです。

ついでに、ちょっとお世辞を入れたり、私に合わせたりすることもできるように

なったみたいです。

「もうあなたとは、一緒に旅はしないと決めてたけど、こんなによくなるとは思わなかったわ。

これなら、また行ってもいいかもね。」と言うと、

彼は嬉しそうに満面の笑みで

「そお?  ボクもあーちゃんと行くと嬉しいわ。今度は沖縄行こうね」と、明るく返されました。

「・・いいね。」とは言ったものの、誰といく??

メンバーを考えると、頭がクラクラしそうです。子供との約束を反故にするわけにはいかず、

私はここでなんといえばいいのか・・

 

「そうだね。でも誰と行くかはよーく考えてみるわ」

「そうだね。お金もかかるし、費用対効果やね。」

・・・・・む、むむ

私はこういうことを小学三年生の前で言っていたのか・・

彼は時々、年不相応な語彙を、さらりと使います。頭がいいなんて、そんな親バカ感覚は

ありませんが、ドキリとさせられることは事実です。

子供の前では、言葉は厳選して使わなければならないと、しみじみ自戒したものでした。

 

でも、ついでに聞いてみました。

「費用対効果って意味わかる?」

「お金をだしてもらったからには、出してもらった人にサービスしろってことでしょ。」

・・・・うーん。これには唸りました。

言葉の意味としては正鵠を得ていないにせよ、私の放った言葉の意味はほぼ合っています。

社会人としての心得のつもりで、彼の父母によく言っていました。昔は・・

今は言いません。効果がないので。

 

それをこの子は、受け止めていたということか。

可愛いやら愛おしいの前に、大人の言葉の重みをずっしりと感じました。

そういうことは大人になって判ればいいのです。

子供の時は、そのまま楽しいことも、嬉しいことも受け止めればいいのです。

そして段々大人になって、自分を楽しませてくれた大人に、自分でできることを

して楽しませてあげるという、人間界の気持ちのやりとりを覚えてくれたら

いいのです・・と、思っていましたが・・

 

今回の夏休み旅は、大人の言葉の重さと影響をしみじみと知らされたものになりました。

でも、だから、楽しみでもあるのですけれどね。

悪いわね。そこいらの優しいばーちゃんじゃなくてと言うと

「それがあーちゃんじゃん」とこれまた、クールなお返しが・・

いよいよ、楽しみです。ふふふ・・ふふふふふふ。。。

 

 


フリーダイヤル 0120-039-242