アポキャン
私共は、松山と高松にメインの事務所を持っていますので、松山にもよく行きます。
こんもりとお城が見える堀端の目の前ですから、風光明媚な処でここからの景観が私は大好きです。
晴天に聳えるお城も、雨にけぶるお城もそれぞれの情緒があって歴史時間を飛んでいきそうになります。
昨夜遅く、もう日付もとっくに変わった頃で「かつての交際相手のことを思うと眠れない」と相談電話がありました。
もともとは妻が浮気をしている。自分には思い当たるふしがないのだけれど、それも全部自分のせいだと
責められている。夫婦関係がこうなってから思い出すのは、若いころの交際相手のことだ。
お互い若すぎて、何が原因なのか今ではよく覚えていないのだけれど、彼女が今どんな暮らしているか
それを知りたいという気持ちが抑えられないと・・・
よくある相談電話ではあります。そして、ちよっと危険な電話でもあります。
彼は自分は真面目な自営業者で、会社のHPには顔も載せている。身元も確かでとこちらが聞きもしないのに
言ってきます。
なぜこんな時間に? とお聞きすると、妻がまだ帰ってこない。たぶん浮気しているのだと思う。そう思ったら
眠れなくなり、彼女のことが頭から離れないというのです。
だったら妻の浮気調査が先でしょ。と、言いたいのを堪えて「判りました。でも今はこういう時代です。
お会いしてお話お聞きしてから、できるかどうか判断させてください。」と私が言うと
「行きます。いつでも行きます。」
・・・この時点でちょっと調子いいなとは思いましたが、そこが相談員の性です。
こんな真夜中の自称まじめな自営業者と翌日(日付が変わっているので今日になりますが)のアポを取りました。
そして見事にアポキャンという次第に相成りました。
この仕事にアポキャンは付き物です。それを憂いていたのでは仕事にはなりませんが、キャンセルにはキャンセルの
仁義というものがあるでしょう。
真夜中に電話かけてきて、早い方がと急かせておいて、無しのつぶて。
そりゃあ見ましたよ。あなたが見ろと言ったHP。しっかりあなたの顔も所在地も掲載されていました。
でも、それがどうしたの?
キャンセルしたら、そこにクレームに行けということだったのですか?
まじめであってもなくてもいいですが、自分が求めたアポを自分の都合でキャンセルするなら
それも早めに通知してくるのが社会人というものではありませんか。
この仕事にアポキャンは付き物。私も一時期「アポキャン女王」と呼ばれたこともありました。
でも、それでも腹の虫が疼く日もあるのです。
人間がまだまだできておりませんので・・失礼しました。。。
