礼節を知る

2020年03月30日

この仕事は時間が不規則なので、自分でフレックスと決めて出勤しています。

今日のように、NHKの「あさイチ」を見てからの出勤というのも、珍しくはありません。

 

コロナの影響でゲストさんたちの間を1メートル空けていますというオープニングは、昨日、一昨日の

東京の感染状況ならNHKとしてはそうだろうなとは思いました。

 

そしてお料理の時間になったら、なんとゲスト料理人はあの和食の鉄人「道場六三郎」氏ではありませんか。

御年87才だそうですが、話をしながらもきっちりと料理を仕上げるお手並みはさすがです。

 

若き頃私も行きました。東京・赤坂にあった道場氏のお店に。

広い店内とそのころはどこにもなかった巨大なオープンキッチン。その手先をテレビ画面で見られるのです。

もちろん美味しくいただきました。

年を経て、神田川氏のお店にも行きましたし、瓢亭にもたん熊にも、吉兆にも(嵐山ではないですが)行き

ましたが、私の中では道場氏のお店は特別です。

 

そう思って見ていると画面の上に速報のテロップ

固唾をのんでみていると、なんと志村けん氏が亡くなったというではありませんか。

彼ほどの著名人がコロナ肺炎で亡くなることは社会に対する影響は大きいでしょう。

警鐘というより、すぐそこにある危機を感じる人もさらに増えるでしょう。

 

そしてそのテロップが消えて今からみんなで試食というときに、料理のアシスタントもしていた駒村多恵さんが

なんとも微妙な表情で、ここでニュースが入りますと告げます。

場面が変わって、スーツ姿のNHKアナウンサーが、志村けん氏の訃報を告げ、ニュースは終わりました。

 

そして再び場面は変わります。

・・・しかし、みなさんはなんとも言えない表情のままです。

道場氏もどう言っていいやら判らず・・という風情。

 

そりゃあそうでしょう。お料理作って、さあ今から食べましょうという時に、知人の訃報ニュースを

聞いて平気で食べられる人がいるでしょうか。

コメント出せるでしょうか。

100歩譲って、そうしたとして。それをテレビで見ている人たちが、共感するでしょうか。

 

 

なんでこのタイミングにニュース!

もう訃報は速報で出ているのです。お料理コーナーが終わるまで、せめて試食が終わるまでなぜ待てない?

これは、料理人道場六三郎氏に対してとても失礼なことですよ。

料理人ゲストとして呼んでおいて

「なんでもいいように考えてるんですよ。今回のコロナで店休んでも、若いのに休みができてよかった

やないかと言ってるんです。」なんてコメントもらって

「100才までやろうかと思っているんです」と、こんな時期にとてもポジティブな意見を言ってもらっておきながら

料理人の一番肝心なときに、あの仕打ちはないんじゃないですか。NHKさん。

誰がどのタイミングでニュースを入れろと言ったかは知りませんが(想像はつきますが・・)

本当に失礼極まりない進行ではなかったかと、私は怒りに震えています。

 

天下のNHKがこんなことしているのでは、民放の道義なんて推して知るべしです。

どこに忖度するのか、なにを競い合うのか、日本人として、いや人間としてもう一度

振り返ってみるべきではないでしょうか。。。


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