それぞれの歴史観

2020年09月24日

シルバーウィークの人出は相当なもだったようで、確かに高速道路も思いの外

車が多いなという印象でした。

我が家は初日に娘の長男が急にお泊りに来て、真夜中まで付き合わされ、

明け方に叩き起こされ、過酷なスタートとなりました。

 

彼はいま、日本海軍の戦艦や駆逐艦、護衛艦などに興味深々で、この年頃の

少年らしく、とてもコアな知識が満載です。

ただ、話をしてみると、こんなこと知ってるの!と、思う反面、こんなことも

知らないのかとがっくりすることも多く、知識の積み重ねというのは、

重ねるだけでなく、その点をつなぎ合わせて線にして、面にして、立体に

していくという作業なしでは、ただの「海軍オタク」の芽にすぎません。

大人が聞いて「へー」という処に、小さな快感があるのでしょうが、「ではそれはなぜ?」

「なぜそうなったの?」「なんの意味がある?」と重ねていけば、言葉はすぐに詰まります。

 

家人はそうやると、もう会話しなくなるよと言いますが、戦争の武器に関する話題で

その機能や使用方法、威力だけを知識として持っている中学1年生は不完全すぎます。

そしてその会話と知識の相手は彼の父親らしいのですが、それも私は気に入りません。

趣味や知識として持っているのは自由ですが、それが戦争武器である以上、その成り立ちと

功罪も教えてかなければならないのではありませんか。

親が子に歴史の話をするのならその功罪を共に話しておくべきではありませんか。

日本が国際連盟を脱退するシーンを見て彼は「日本も短気やなぁ」と薄ら笑いを

浮かべます。

「でも欧米が自国の利益のために、そういう風に持っていったという説もあるよ。」と

言うと「おお。そういう見方もあるのか」と、目からうろこのような言うのです。

歴史の認識はそれぞれの価値観で決まりますが、まず最初のトバ口は、

いろいろな説を話してやることではないでしょうか。

こういう説もある。こうも考えられる。こうかもしれない。

そんな沢山言われたら迷うんじゃないかと家人は言いますが、私は

迷っていいと思います。

少なくとも、ただ一つの説だけを鵜呑みにするよりも、あーかもしれない

こーかもしれないと思い迷う方が、真実にたどり着き易いと私は思います。

 

彼の趣味や知識は否定はしませんが、彼より先に生まれた者の責任として

私の歴史観もひとつの材料として、なるだけ多くの、なるだけ広い知識が

彼のこれからを作ってほしいと心から願いました。。。

 

 


フリーダイヤル 0120-039-242