不思議な話

2020年09月30日

それは娘の長男がまだ4才のころの出来事です。

いつものように我が家に遊びにきていて、リビングに掛けてあるクリムトの

絵を見ながら「この前、ここから知らないおじさんが出てきた」と言うのです。

確かに、左右対称の男女の絵の真ん中には黒い扉があります。

「へぇ~それで?」

私はこんな話が大好きなので、先を促します。

「で、そのおじさんがトイレに行こうといるボクに、お前誰やっ?て

聞いてきたの。」

 

話はますます面白くなってきました。

「うんうん。で、どうした?」

 

「○○○○(フルネーム)ですっ。って言ったら、知らんと言われた。」と

直立不動で話をしたと身振り手振りで話すのです。

そして、少し間をおいて、

「そのおじさん、この人。」とリビングの台の上に置いてある亡夫の

写真を指差すのです。

 

私と娘は思わず顔を見合わせました。

夫はもう20年も前に亡くなっておりますから、もちろん彼が夫のことを知っている

はずはありません。

ただ、我が家は前述のようにリビングに亡夫の写真を置いていますので、

彼には亡夫のことも話はしています。彼の中で家人が一番、二番目が詫間のじぃじ

(これは、婿殿の父上です)三番目くらいの存在だったかと思います。

 

一瞬呆然としたものの、次に猛烈に腹が立ってきました。

「知らん」とは何事。可愛いと愛撫しろとまでは言いませんが、自分の孫に

向かって「知らん」とは・・

「で、あなたはなんて言ったのよ?」と彼に聞くと

「怖いからなんにも言わなかった。怒られそうな気がした。」と言うのです。

これでまたまた腹が立ちました。

自分で勝手に我が家を歩き回るのは、まあ許せましょう。

私たちの生活をそっと覗き見るのもなんとか許せます。(見守るという言葉に

置き換えてみます)

しかし、自分勝手に迷い出て、孫を怖がらせるなんて許せない。

「そうか。わかった。もしまた今度出てきたら、あーちゃんが

話があるから、出てきてと言ってといて。」

「わかった。」と彼は力強くうなづきました。

 

しかし以降、彼の前にクリムトのおじさんは出てきません。

息子にこの話をしたら

「そりゃあもう出ないよ。孫を脅して怖がらせてどうするのよって、お母さんに

怒られるのがいやだから絶対出てこないね。」と断言されていまいました。

それはまたなんと・・幽霊が幼稚なのか、私の毒妻度が高いのか・・・

 

月日がたって彼に弟ができ、その子が4才になりました。

そして先日、遊びに来ていて何気に視線を上げた弟が言いました。

「あのドアまた開くの?」

視線の先はクリムトの絵です。

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これ作り話ではないのです。。。

 

 

 

 

 

 

 


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