電話でお話してみませんか。

2020年11月06日

月末からばたばたと忙しくして、なかなかブログに向き合えなくなると

無性に恋しくなるものです。

ここに綴ることが、私の楽しみのひとつであることは間違いありません。

さて、わが社は松山にも事務所を持っております。

もっと言えば、松山が本社です。だからといってここが手薄というわけでは

ありません。

 

この松山の事務所はさるエステサロンのビルの中にありますが、ここの

オーナーさんがそれはそれは几帳面で正しい方なのです。

もう20年来のお付き合いになりますが、ご主人なきあとのサロンを

ビルに建て替え今に至っています。

どんな些細なことも文書に認め、定期的に環境設備を整え、時に交換し

その報告と設定には頭が下がります。

ビルの設備ですから空調ひとつ替えるにしても一台何十万もかかります。

コロナ禍の時だからと換気工事も手を抜きません。

そのひとつひとつを丁寧に報告し、粛々と進めてくれます。

 

そんな彼女にも代替わりの時が来たようで、最近は娘さんが代わって

連絡してくれたり、文書をだしたりするようになりました。

それが・・・

それが・・彼女のあまりの完璧さにこちらが慣れすぎたのか、

どうにも満足できないのです。

電話の応対ひとつにとっても、「(前)オーナーなら、こういう言い方は

しないよねぇ。」と知らず家人に零しているのだそうです。

いや、決して娘さんが間違っているとか、不手際とか言っているわけでは

ないのです。

不可分なくすすめていますので、支障やトラブルがあったことはありません。

 

ただ前と比べてしまうのですね。

 

これは家業を継いだ方にはよくあることではあります。

先代と比べられる当主はそれなりにご苦労も言い分もおありでしょう。

それも判ります。

でも、それでもひとつ言えることは、現代の多くの人はメールに慣れすぎてか

電話で話すことが下手ですね。

お友達間の電話ならともかく、仕事で電話で話すということが下手になったと

思います。言うべきことを意識してしまってか、早口になっていたり、相手の言い分を

聞かなかったり、用件言うだけ言うと、確かめもせず切ってしまったり。

 

私たちが社会人一年生のころは、メールなんてものはありませんでしたから、

入社してすぐ「電話講習」なるものがありました。

外部の電話への応対。上司への取次。私用電話の対応。クレームへの対処。

敬語の使い方などを、みっちり教え込まれ、それでも最初の一か月は電話が

鳴ると受話器を取るのに勇気がいりました。

 

今の会社でそんなことしているかどうかは知りませんが、いま電話対応で

お話するならいわゆる「営業電話」と「詐欺電話」くらいのものですよ。これらの

講習受けているのではないかと思うのは・・。

だからこそ、こういう対応に慣れていないからこそ、電話口でサラサラと

話をされるとつい騙されちゃうのかなとさえ思います。

 

昔はどこの企業でも、きちんとしたお姉さんが、歯切れよくきれいな言葉遣いで

電話を受けてくれていましたが、いまは大抵の、しかも大企業と言われるところほど

どこやら判らぬ場所の電話センターにつながって、機械的な声で「御用の方は何番を

次の御用の方は何番を」と、判断を全部こちらに丸投げ。

しかも途中から間違ったら、また一からのやり直し。

これのどこがコールセンター????

これって、かける側がもうめんどくさいと投げ出すための謀略ではないかとさえ

思うのです。

 

こんな電話ばっかりだと、たまに人間の声で「もしもし、今お話していいですか?」

なんてかかってきたら、その人間らしさについ心の箍が緩んでしまうのもむべなるかな・・

とはおもいませんか?

 

時代はますます人との接触を避けましょうという声が大きくなっているようですが、

人と接触しない人間社会なんて、存在するのでしょうか。

人と接触しないで生きる長い人生と、混じりあいながら生きる短い人生と、

人として生まれ生きる人生のどちらが幸せなのでしょう。。。

 

「いやいや、あなたはもう十分長く生きてるから、その選択は・・

どうかな。」

家人の独り言が、深く私を傷つけるのです。。。

 

 

 

 

 

 


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