イルミネーション・ザ・蜘蛛の糸

2020年11月27日

11月も半ばをすぎると、家人はそわそわと三階の物置からイルミネーションの

小道具を取り出して、暖かい日を待ちわびます。

もう10年以上続いている我が家の年中行事で野外イルミネーションの設営が

始まるのです。なにしろ助手なしの一人でやりますので丸一日仕事です。

その日は当然仕事は休みます。私も手伝いを申し出るのですが「君は仕事を

してくれ」と慇懃に断られています。

 

その日は帰ると、まず自宅に入る前に、点灯のテストをして自己満足一杯の

家人にダメ押しすることが私の帰宅行事のひとつになっております。

 

イルミ(長いので省略します)は、野外設置なので毎年なにかしらを買い換えないと

いけないのですが、それはそれでまた楽しみというものです。

去年から庭に大きなクリスマスツリーも設置しました。

 

2メートルは越える高さでこれで昼間も楽しいかな、なんて思っていると

近所の介護施設から、お散歩コースに我が家の前を通っていいかと打診されました。

ツリーが華やかなので、見たいとのことです。もちろんどうぞどうぞ・・。

娘の上の子で中学一年男子の友人が「青い家のイルミまだかな」などと聞いていた

という話もありました。

ちなみに、我が家はご近所では「青い家」と呼ばれているらしいです。

 

昨夜は家人が微調整をしていると、高校生男子二人が通りがかり、じっと見ているので

「見てくれてありがとう。」と声をかけると「あ、いえ、綺麗ですね。」と

恥ずかし気に対応してくれたと言っておりました。

 

我が家の南北には高校があってその二校の生徒が自転車で我が家の横を通り抜けるのです。

最初のころは、その若いカップルが月極の駐車場の車の影で、ひそひそと話しながら

じっとイルミを見ているので、夜10時まで点灯していのを9時に変えたこともありました。

今、中一男子の孫が幼稚園の時は、クリスマスイブにピンポン鳴らしてくれた幼稚園の

お友達にプレゼントを渡したりしたこともありました。

 

それもいつしかマンネリになりかけていたところに、今年の急な人気復活です。

何が理由か判りませんが、設置者としてはとてもうれしいことです。

去年からイルミにプロジェクションマッピングが加わり、カラオケステージか

吹雪の街かという風情になっていて、一層キラキラでご近所にはご迷惑をおかけして

おりますが、幸いにもみなさんご理解があって「今年もきれいだこと」と褒めて

いただいております。

 

奥の奥さんは何年か前にご主人を亡くされ、当時中学生の優しいお孫さんがよく訪ねて

いらしたのですが、成人して結婚されてからはなかなか思うには来られなかった

らしいのです。それが先日、お孫さんにお子さんが生まれて、その赤ちゃんが

「おたくのイルミを見ると喜ぶので」と言ってくださったときは嬉しかったです。

 

自分たちの「やりたい」だけで始めたイルミが、なんだかんだで誰かに

喜んでもらえるなら、こんなにうれしいことはありません。

まだクリスマスまでは点灯は続きますし、微調整もありますが、それも

楽しみのひとつです。

「これでもし、地獄に落ちてもお釈迦様は、蜘蛛の糸を垂らしてくださるかしら」と

私がつぶやくと「でもそれなら、摑まれるのはボクだけだよね。君は何もしてない

んだから」としらっと家人は言うのです。

「あ、そう。ならいいわよ。来年からは私も手伝ってあげるわよっ。」

「いや、いいです。蜘蛛の糸、譲ります。まだ地獄の釜の方がマシかも・・」と

小声でつぶやいた家人の声を私の耳は聞き逃してはおりません。。。


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