母の価値

2021年05月02日

肌寒いGWの始まりです。

去年もコロナ騒ぎで、恒例にしている我が家でのお友達BBQが流れ、今年は・・と

期待はしていましたが、今のこの状況では躊躇せざるを得ません。

 

ニュースでは、緊急事態宣言下の東京や大阪の様子が繰り返し映され、

街を歩く輩は「大バカ者」か「非国民」扱い。こんな中でお友達パーティを

開いて万が一感染者でも出そうものならホントに「村八分」にされかねない

社会情勢です。

これって、歴史は繰り返すってやつですかね。

高齢の歴史学者や文学者、戦争体験のある方の「戦争が始まる前と同じだ」と

いうコメントをちらほらと散見いたしますが、そうなのかもしれないという

説得力はありますね。

 

日本だけでなく、アメリカもヨーロッパも中国もなんだかみんな「変」です。

均等に保たれていたバランスが少しづどちらかに傾いていきつつあるような

そんな気はするのです。

気付いたら「戦争のさなか」なんてことがないと言い切れない今の世界情勢が

恐ろしくもあり、仕方ないかという諦念でもあるのです。

 

若い頃は夫が戦地に行ったらと思い、少ししたら子供が戦争に巻き込まれたらと

案じて反戦ということを身近に考えていましたが、夫が亡くなり、子供が徴兵の年齢を

越えると、いつしか「反戦」と言う言葉に反応するのが鈍くなっている自分に気付きました。

身勝手なものです。自分に直接関係ないとなると、こんなにも希薄になるのかと思うと

我が身の浅ましさに震える思いがします。

 

そして世の中にこんな私のような「母」が増えたら、朝起きたら「戦争」なんて

ことが漫画の世界でなく、起こっていたりするのでしょうね。

今を生きる人たちは到底信じられないでしょうが、私たちの子供のころは

まだ周りに戦争経験者はごろごろいて、その体験談を嬉し気に、自慢げに

話を膨らませるおじさんがいたのです。

もちろん兵役経験者ですよ。多くの人たちは戦争に傷つき、その残忍さに

怖気づいていた時に、そんなおじさんもすくなからずいたのです。

もちろん、その方が本当はどんな経験したのか、本心はどうなのかは知りませんが、

要は、同じような悲惨な経験をしても、それを糧にする人、押しつぶされる人、

利用する人・・さまざまな受け止め方と、乗り越え方があるということです。

 

こんな浅ましい母になって子供に申し訳ないなと思っていたら家人が

「あのさ、もうすぐ母の日じゃない。R(娘の名前です)に、これお母さんに

あげたらきっと喜ぶよってラインで写メ送って薦めたんだけど・・」と

東急ハンズで買ってきたというZipTopというシリコンの容器を買ってきました。

冷凍庫にもレンジにも使え、逆さにしても汁物がこぼれないというピンク色の優れものです。

確かに、私はこういうものが好きです。

娘は値段はいくら?聞いたようで、家人が「3000円」と答えると

「無理。ムリムリムリ」と得意の「むりむり連打」が返ってきたきたそうです。

それで家人が買って帰ったのだそうです。

 

・・はぁ~、私って母親の価値は3000円未満か・・

 

そうか。3000円未満なんだ。もしかしたら1980円くらいかもしれないと

思ったらなんだか急に心が軽くなっちゃいました。

 

「浅ましい母でわるかった」なぁんて思うことないのよ。

どうせ私は1980円(もう自分の中では1980円になっています)母なんだもの。

これからは1980円の価値で生きてやる!・・ってそれどんな価値???

 

悔しい反面、何かに解放された気分になりました。

わが娘よ、あなたはたぶん自分では気付いていないだろうけれど

こうして知らぬ間に、母の心を解放しているのだよ。

これもある意味「親孝行」ということで、今年の母の日の

プレゼントとしてこの「むりむり連打」を受け取っておこう。

 

しかし、いつかあなたも子供に仕返しされるよ。きっと。

因果は巡るというからね。・・・ふっふっふ。。。

 

 

 

 

 

 

 

 


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