女の方が・・・
たまには仕事に関する話を挙げておかなければ、この魔女おばばは
仕事もせずに毎日毎日、不平や不満ばかりの毒を吐いて暮らしているのかと
疑われそうなので今日は、最近の同業者との会話からひとつ・・(落語の
前振りみたいですね。(笑))
先日、古いお付き合いの同業者と話をしていたところ、男と女とどちらが過去を
引きずるかという話題になりました。
この仕事をしていると、数多の男と女の関係を見てきていますから、もちろん
それぞれに起因することが当然なのですが、それでも体感的な感覚というのは
あるもので、同業者(男性です)は、「それはすぱっと切り替えるのは女性でしょう」と
言います。
初恋の人探しでも、男性の依頼者は数十年前のたった一度のデートを、
それはそれは微に入り細に入り覚えていて、すぐに自分が逢いに行くのは
気後れするからまず手紙を渡してほしいと言います。
そして、お相手さんを探し出して事情を打ち明け、依頼者のことをお話すると
十中八九の女性が、もうそんな彼のことは忘れています。
現在のお写真見せても「えーこれ誰? 覚えてないです」との反応が多いです。
(本当は覚えているのかもしれませんが、そういう反応が多いのは事実です)
彼女の連絡先をお聞きすることはできないので、「一度よかったらお電話して
あげてもらえませんか」と恐る恐る尋ねると
「はい。」とは言ってもらえても、たいていはかかりません。(笑)
ただ、はいと言っていただいたことは、依頼者に伝えますから、待ちますよね。
ずーっと・・でも、大抵がかかってはきません。
ことほど左様に、女性はもう済んでしまったことには切り替えが早いと同業の
彼は言います。
確かに、それは私も感じます。
でも、この話の発端は、私が自分の写真を整理したというところから始まって
いるのです。
二年前に、私は自分の写真をすべて整理しました。昔のアルバムに貼り付けてあるあれです。
一枚ずつ剥がして、ほんの数枚だけ残してシュレッダーにかけ、アルバムはゴミに出しました。
同業彼はそれが理解できないというのです。
昔の思い出、取っておきたくないですか?と言うのです。
「いりません。取っておきたくないです。」
そう答えた私をしみじみ見つめて、そもそも女性はと前述の話に
話題が飛んだのです。
ここで彼は大きな誤解をしていますね。
家人いわく「君を女性として分類するなんて、彼はどうかしてるよね。」
この一言で、私は家人が私をどう見ているかがはっきりと判りました。
家人はさらに、
「え?・・君のこと女性だなんて思ってないことはもうずっと前から
判っていたと思ってた・・」とさも意外そうに宣うのです。
そんな評価はともかく、世の多くの女性たちからは異論もあるでしょうが
私たちに業界では、そういう巷の噂が流布しているようです。
ただし、これは男性業者の場合ですよ。
女の本当の気持ちは女もどきにしか判りません(自分が女性と認識されて
いないことくらいは判っていますとも)。
でもね、男性でも真正女性でもないから、どちらの気持ちも判るのですよ。
躊躇なく昔の写真をシュレッダーにかける私の手に迷いはありません。。。