我が身を知る
不定期にですが、たまーに突然創作意欲を掻き立てられて、どうにも収まらず
衝動的に糸を購入して、編み物を始める時があります。
若かりし頃は、一晩でセーター一枚という時期もありましたが、さすがに近年
それをしたら全身硬直で起き上がれなくなりそうなので、自制していますが、
なにしろ、後退と停滞は大嫌いな性格と来ていますから、やり始めたら一日でも
一時間でも早くという能動を抑えきれないのです。
先週から、まさにその時期に入ったようで、ボッベルコットンという
ドイツのグラテーションの綺麗な糸を購入してからは、一日何時間と
自主規制しながらの創作の夜を過ごしております。
この糸のなにがよいかと言えば、一巻きが1000メートルあります。
四本の細い糸を縒りなしでひとつにして編みますが、この四本の濃度を微妙に
変化させてグラデーションを作っていくことができます。
しかも1000メートルですから、自分継ぎ目を作らなくてもいいのです。
これ編み物したことある人なら、共感していただけると思いますが、かなり
ストレスです。結び目が上手く編地に隠れなかったりすると、苛つきますが
それがありません。大き目の三角ストール一枚分がありますから、ひたすら
編み続けていけば完成します。
いいことだらけのようですが、何にも欠点はあります。
まず編み図が市販されていない。
もっとも、糸自体が市販はされておらず、ネットで購入することになります。
そして編み図いくら探してもネットにはない。
糸が届いたら後ほどメールで届きますが、私はそんな悠長には待てないので
探しました。
そして外国の編み図を見つけて、翻訳して使っています。
日本版よりはかなり大雑把ですが、編地記号は世界中共通のようで困りませんし
この大雑把加減は、なかなか私には合っているようです。
そして編み始めた二日目。四本糸のうちの一本が切れています。
ここはやっぱり外国製。日本製ではまずこんなことはありません。
メーカーに問い合わせるとお取替えしますとは言ってくれましたが、もう1/3は
編んでいるのです。今更新しい糸で編めなんて・・できません。
そのまま編んで、また四本になったらまたそのまま編んでみます。
あんまり差がなければそれでいいです。と、またなんとも大雑把・・・
いや、これは私がですよ。
そして毎日自制しながら編んでいたのにも関わらず、昨日のことです。
朝一時間ほどあんで、椅子から立ち上がろうとしたら、あらら・・・腰が
腰が他人のもののように、私の言う事を聞かない。
姿勢を下にしようとすると、あいたたったた・・・と声が漏れ
動きが、動きが・・・壊れかけたロボットのように・・・
不覚です。
思った以上に、我が身はポンコツでした。
普段から、私は中古品というより、古いことに価値のある「骨董品」よと
嘯いておりますが、こうなれば中古品も骨董品も同じです。
むしろ使える中古品の方が価値が高いかも・・と、私の山よりも高い自尊心が
ガラガラと音をたてて崩れそうです。
それでも、お風呂に浸かり、ツボ指圧を続け、ストレッチをそっと施し、今朝は
爽やかに「おはよう」と声をかけたものの
しばらくは、やせ我慢の日々が続くことでしょう。これも生きていく上の
堪忍ということで、耐えてみせます。。。