長い夜の過ごし方
なんやらバタバタと時間が過ぎて、はたと気付くと季節はもう秋を通り越して
初冬の顔を見せているようです。
季節の変わり目がこんなに早くていいのかしら?と思いながらも、暑いのが苦手な
家人は嬉々としております。
が・・・私はとても残念で仕方がないのです。去り行く夏を惜しむ間もなく秋が来て、
楽しむ間もなく冬が迫ってくるこの時期はとても感傷的になります。いえそんな可憐な
感情ではなく「大っ嫌い」なのです。
なにしろ私の大好きな夏から一番遠い季節ですから、次の夏までの長さを慮ったら
眩暈がしそうな長さです。
次の夏が待ち遠しくて、待ち遠しくて・・・
さりとて温泉の有難みと楽しみは冬ならではのもの・・
これも捨てがたし・・・
などと暢気にもの思いに耽る夜を過ごしております。
最近は、日中、あんがい忙しくしておりますので、夕刻になるともう睡魔が
お友達申請してきて離れないのです。
私は「1・2・3」で寝れる女ということで、友人知人間では名を売っております。
そんな私にすり寄る「逢魔が刻の睡魔」はもう物の怪そのもの。
パタンとその術中に入るようで、気が付くと家人がヘラヘラと笑っている
そんな日々が過ぎていきます。
それでも、半端な時間に起きて仰ぐこの時期の月の美しさといったら・・
煌々と存在する夜も、怪しげな雲間に隠れている時も、朧な月の妖しさも
そのどれもが魅力的でベランダで陶然と見惚れてしまいます。
そんなこともあるので、あんまりこの季節の悪口を振りまいてもと
少し反省はしております。
・・・こんな我儘魔女おばばでも反省することもあるのです。たまには・・ね。
そしてこんな夜は先日ジュンク堂で手に入れた「東京の生活史」を机に
どーんと置いて(なぜ机かは本を見れば判ります。その厚さに笑えます。)
長い夜を楽しく遊ぼうとページを開くのです。。。