不徳
新年になって餅つきというのもねぇ・・と言いながら娘の長男のリクエストで昨日
年明けの餅つきをいたしました。
餅つきと言っても杵や臼を用意するのではなく機械で搗くので、昔と比べると
各段のお手軽さではあるのですが、それでもなかなか準備は大変で前の晩から
もち米を洗って浸しておかなければなれません。
それが何ほどの準備よと糺されれば、・・項垂れるしかないのですが。
当日、なにしろ昨年は餅つきをしませんでしたから二年ぶりの作業です。
家人は私と娘に任せて洗車作業にいそしみ、私は二年前のメモを片手にセット。
ところが。。これがまたいつものようにというか、やっぱりと言うか、
機械には絶望的に弱い私のなすことです。すんなりいくはずがありません。
水を入れる場所を間違え、スイッチの切り替えしを間違え、一回目のお餅は散々。二回目も同様。
とはいえ、かなりゆるゆるのお餅で餡子をたっぷりいれると、餡餅というより大福餅の
ような感触でそれはそれでなかなかいけますと長男の言葉。これは、私へのいたわりなのか?
餅つき機は二合用なので合計四回。なにやらかにやらでつきたおしましたが、
全体にぐにゃりとした、綺麗に言えば柔らかい、本音で言えば水っぽいゆるゆるの
こぶりのお餅がほぼ40個。それをつきあげる片っ端から、餡餅はそのまま、白餅は薄目の
砂糖醤油を絡めて今年は淡路島の大江海苔をまいていただきます。その旨いこと・・
大江海苔さいこ!!
みんなでそれを食しながら、娘は自分のパート先の大学生がいかに使えないかを愚痴ります。
「〇〇大学(地元国立大学です)の子なのに、要領は悪い、飲み込みは悪い、作業はできない。
どうなってるのよと言いたいわ。」
確かに彼女は言いたいわというだけで、本人には言わないでしょう。
私の娘でありながら、性格は両極端。
娘はそれ故に、ずっと我慢の日々を送っていたと他人は言うのです。私は現代の言葉に
治すなら「毒親」らしいです。いや、それも結構ですよ。
毒親・・お受けしましょうよ。そんな世間の評価なんてなにほどのものでしょう。
そういうことには、なんの痛痒も感じないタイプなんです。わ・た・し。
概して娘は小心で矮小。なにしろ一番が嫌いで、誰かの後で同じ作業を延々と繰り返す
タイプときていますから、母子と言えど判り合えるずがありません。
で、先の会話に戻ります。
娘は生真面目だけが取り柄の凡庸な女ですが、人のことを悪く言わないタイプの
人間です。その彼女がこういうことを言うからにはその大学生君はよほど仕事が
できないのでしょう。
いや、彼女だからこそ本人にも指摘せず、パート仲間とも話題にせず、こんな折に
内々の話で披露したのでしょう・・とは思います。
思いますが、彼女は大きな思い違いをしています。
例え国立大学生であろうと、彼女のような私立の短大生であろうと(最終学歴がです。
いまが短大生のはずはありません。本人は五歳の次男にママは18才と恐ろしい嘘を
吹き込んでいますが・・)仕事能力に学歴の差はありません。
時間がたって専門職や技能職になればまた別ですが、普通のスーパーのパートや
アルバイト職に学歴の差はありません。
ですから、私立の短大生であっても、社会経験のあるだけ娘の方が仕事に慣れているだけ
なのです。国立大学生君は仕事のなんたるかを、社会経験として知らないだけなのです。
教えてやりなさいよ。あなたが・・と、私が冷たく言い放つと彼女は
「だって、言っても言っても判らんのよ」と。
何を言うかっ。あなだだってそうだったではないか。
そうやって大人と言われる人から仕事のなんたるかを教わってきたのではないか。
判らないなら判るまで教えよ。それが大人の務めよと私が言うと、彼女は大変不満そうに
黙ってしまいました。
パートの分際の仕事ではないと言いたげですが、これはパートアルバイト云々の話ではありません。
大人として仕事未経験の者に対する姿勢と指導の問題なのです。
私が滔々と自説を開陳していると、いつの間にか娘の背中が私に
語っています。
「その前に、機械ものは取扱説明書読んでよね。私はもう慣れてるからいいけど
機械は気持ちを判ってはくれないからね」と。
く、悔しい。あんな餅つきさえなかったら、向けた背中を引き戻して
あと一時間は説教続けられたのにと家人に言うと、
それってパワハラやがな、と呆れられたのは不徳の致すところ・・でしょうか。。。