愛のムチ?

2022年01月12日

私は正真正銘のおババですので(声を大にして言うほどのことではありませんが)

手や首筋にその徴候が見られます。

これは齢を重ねると男女ともにそうなりますが、人様とお会いする仕事ですから

すべすべとまでは求めませんが、できれば綺麗でありたいとは思っています。

へーこんな女らしいことを考えることもあるんだぁ~なんて声はこの際無視しておきます。

 

そんな時に新聞広告に手肌と首筋がすべすべ・・なんて言葉についヨロヨロと

申し込み電話をしていました。

すると電話が殺到しているとかで、改めてかけなおすからと自分の連絡電話番号を

伝えて待つことになりました。

・・一時間・・二時間・・三時間・・

時はどんどん刻まれていきますが、電話はこない。

いつしか電話のことは忘れて、仕事モードに入り、それも思って帰宅です。

夕飯の支度して作って食べて、夜の訪問者の相手して・・・そして私の携帯がプルプル・・

誰よ?  こんな時間・・

 

いぶかしく思いましたが電話を取ると若い男性の声で

「お電話いただきました何やらマシナリーでございます。」と、丁寧なのかおバカなのか

判断に困るような応対です。

「どちらさま?」

私の携帯には相談者やら依頼者やら仕事関係者がわんさか登録されていますし、それ関連で

もかかってきますので、一応は相手を丁寧に探ってみます。

「いや、あの昼前にお電話いただきましたなんやら・・」

「あーあのハンドクリームのね。」

「あ、はい。そうです。それです。」

「こんな時間になに?」

「あ、いやお電話が遅くなりましたということで」

「遅くなったお詫びですか?」

そんなはずはないと思いながら、私のいつものへそ曲がり探知機がピピと

作動し始めます。

「いや、あのそうじゃなくて、この電話で受け付けますのでと言うことで。」

彼は電話の向こうで完全に我を失っています。

 

「そうですか。それで?」

ますます醒める私。

「では、送りますのでご住所を?」

少し立ち直ったか・・

「その前に、あなたのお名前はなに? なんやらマシナリーの誰さん?」

「え・・え、あの」

またもや崩れ落ちる彼。

「あなたはなんやらマシナリーさんとは言ったけど、お名前は言ってないわよね。

で、私はそのお名前も知らない方に自分の住所をお伝えするの?」

「あ、いや、それは・・そんなことはないのですか。あ、はい。あの

武村(もち仮名です)です。」

「はい。武村さんね、では武村さん私の住所言いますね。郵便番号からで

いいですか?」

「はいっ。」

なんでこんなに緊張するのよと思いながら、手続きに従って住所や支払い方法、

送付の日程などを聞いて、話して

「では・」と彼が話を改めた時に

「ところで武村さん、新聞には先着10000人に限りの割引と書いてあったわよね。

で、昼前に申し込んだ私に、折り返し電話があったのはこの時間。ということは

もう10000人なんてとっくに超えちゃってるんじゃない?」

 

「あ、いえあの、・・そ、そうなんです。もうとっくに超えちゃったんです。

ですが、あんまり人気が高いので今日中はこの特典を付けようと決めたんです。」

まるで自分が決めたような言いぶりです。

 

「そうなの。それを私がお聞きしなかったらなんの説明もなしに、値引きしてくれる

ところだったのね。」

「は、はい。そうなんです。」

「へー。それって親切?

じゃもうひとつ聞くけど、私みたいな質問する人はいないの?」

「はい。あ、いえあの、いないことはないですが・・す、少ないです。」

 

「そうなの。でも世間は広いからこんな質問する人はたぶん私だけではないと思うわよ。

これからも、いろいろな人がいると思うから、がんばってね。」

最期はエールを送りました。

 

リビングで向かい側に座って、しっこく晩酌を続けている家人が

「気の毒やなぁ。きっとめんどくさい人に当たったと嘆いてるよ。

新人いじめはやめなさいよ。」と笑います。

「なに言ってるのよ。これは新人いじめではなくて、新人教育よ。

なんやらマシナリーに指導料払って貰いたいくらいよっ。」

私と家人の見解の相違です。みなさんはどう思われますか。。。

 

 


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