世相
世の中には不条理な出来事が蔓延しています。
いまその最たるものが「道連れ自殺」ではないでしょうか。
自分の人生に失望し厭世的になって自殺願望が高まるけれど一人で死ぬのは怖いと
誰かを道連れにしょうとする輩が目立ちます。
こんな世の中に希望がないと思うのは勝手ですが、自分がかかわったり、
多少なりともそで擦りあう間柄の人を道づれにしたり、そんな人が誰一人も
いない奴は、通りすがりの人を道連れにしたりで、今の世の中は恐ろしくてなりません。
どこに、どんな邪な人間がいるのか判らないのですから。
人に親切にしても裏切られるくらいならまだしも、命を狙われることがあるなんて
なんて世の中になってしまったのでしょう。
自分で命を絶つからには、誰にも判らない深淵な悩みがあったのでしょうと、幾許かの
同情と思いやりをもう持ってはいけないのです。自らを守るためには。
家人は他人事ではないと言います。
私の亡夫は四人兄弟の四番目で長男ももう亡くなり舅も亡くなり、
姑が離婚した次男と同居しています。
姑はもうそれなりの齢でほぼ寝ていると聞いていますが、それを白髪の息子が介護して
いるのです。世にいう老々介護の典型です。
なぜ介護施設に入れないのか、私には聞く権利も資格もありませんので
ご本人に確かめたことはありませんが、息子からの伝聞によると姑が施設をやんわり
拒否しているというのです。ただし、これは本人の口か聞いたことではなく、次男を
通じてのことだそうです。
失礼ながらあの手入れの行き届いていない亡夫の暗くて広い実家にあの二人が
音もなく深々と暮らしているかと思うと、ちょっと鬼気迫る思いがします。
子供らが小さなころは、掃除が行き届いて舅は折あらば拭き掃除をしていたような
人でしたが月日と共に家は老朽化してくるものです。
私は夫の死を契機にきっぱりと断絶しましたが(それはもう、なんと毒づかれたかは
想像がつきます)息子や娘にとっては祖父母ですから、彼らは行き来していました。
ですからあちらのことはリアルに知っています。もちろん私に出来ることは
するつもりですが、私に言ってくることはありません。なので息子を通じて
推し量るようにしていました。
こんな環境なので、家人は姑にもしものことがあれば、次男も厭世的になって
発作的に・・そうなったら身近な人を巻き込むかもしれないから、息子と娘に
充分気をつけてそういう知らせがあっても一番には駆けつけるなと言うのです。
たしかに想像が過ぎますが、これも家人の息子と娘への愛と思えば
ちよっと感謝の気持ちも・・
こんな゜世知辛いことを考えるのも、世相のせいなのか、それとも
単に私と家人の性格の悪さなのかは定かではありませんが、いま世の中が
そういう恐怖に囚われていることは確かです。
これがコロナのせいなのか、なんでもコロナのせいにしていいのかと
悩めるところではありますが、いつもどの時代も、誰もが思ってもみないことを
考えたり実行したりする人はいるものです。そしてそれを真似る多くの人も
いるものです。
人は一人で生まれて、一人で死ぬものだと、当たり前のことを
噛みしめてみたものです。。。