傷心

2022年02月21日

三回目のワクチン接種は先週、無事終わりました。周囲もいろいろ助言はしてくれましたが、

今回はなかなかに辛かったです。

微熱とはいえ、発熱と倦怠感に三日間は半病人状態。

これは「鬼の霍乱」とは言わないでしょうが、私には大きなダメージでした。

そしてようやくその域を脱したなと思い始めたころ我が家の愛犬老嬢ヒメの

様子がちょっとおかしくなりました。

 

おしっこの粗相が目立つようになり、ゲージの中にいてさえ、オシッコシートを

避けてするようになったのです。

彼女は夜寝る時は、あの飛行機搭乗用のゲージに移り替えて、私の寝室に入れて寝るのです。

決まった時間に寝て、私と一緒に起きますからたっぷり9時間は寝ていることになります。

それが夜中にごそごそと動き始め、確かめるとその中で粗相していたり嘔吐していたりで

あきらかに様子がへんなのです。

 

しかもゲージの中の小座布団を洗うために替えると、またすぐにという塩梅で

とてもローテが持ちません。

2.3日それが続くのでこれはおしっこトレーニングのやりなおしかと、心を決めた途端

おしっこをしなくなったのです。ずーっとです。

トレーニングのために様子を見ていると、粗相はしませんが、それはおしっこしないからで、

状態が改善したわけではありません。

これは心配な状況になりました。かかりつけのお医者さんにと思いましたがたまたま

日曜日。

で、ふと思い出したのが、粗相の前に娘が彼女を散歩に連れ出した時、

よほど嬉しかったのか、行く先々でおしっこしまくり、う〇ちもしまくり状態で

娘は両手にナイロン袋とスコップ持って右往左往したらしいのです。

「ほんとに、恥ずかしいくらいいっぱいするのよ。」と苦笑していました。

 

「もしかして、散歩に行ったらするかもよ。」と私が言うと家人も同意。

さっそく連れて行ってくれました。

そして帰ると「うん。したした。すごくたくさんしたよ。」と膨らんだビニール袋を

見せてくれました。見たくはなかったですが・・

それがお昼ごろのことです。

 

しかしその後ずっとなしなのです。夜ごはんたべても、寝る前もなし。

犬のおしっこは回数よりも量とネットであったので、その点では少し安心はしていたのですが

それにしても。。

そして翌朝、起きてもなし・・・

やっぱり、今日は病院連れて行かなくてはと思っていた時に、娘がやってきました。

かくかくしかじかと状況を話すと

「えーっそんな。ヒメちゃんお姉ちゃん(娘は彼女にむかって自分のことはこう言います)と

一緒に散歩にいく?」と抱き上げながら言うのです。

「いやいや。外出ないとおしっこしないようになったら困るので、それはやめて。

ここでするかしないかが大事なのよ」と私。

「そうか。判った。じゃ・・ひめちゃんなんでここでできないの?」と

ヒメをそっとゲージに戻すと

「ほら?  どこでするんかな?  どこかな・・」と声をかけると

彼女はいつものようにすんなりとオシッコシートに乗り、がばっと

後ろ足をひろけで、見事にそれはそれは大量の放尿をはじめたのです。

 

・・・・唖然・・呆然とする私と家人の前で娘は

「だっていつもハハちゃんは(娘は私のこと名前で呼びます)外から

帰ったら抱き上げてそう言ってるやないの。」と平然と言います。

 

言われて思い返せば、確かにそうでした。

仕事からかえって何より先にすることは、彼女を抱きあげて「ただいま~

さぁ、どうする? どうすかな。」とおしっこを誘うのが習慣でした。

ところが、コロナがこの世に居ついてからというもの、まず帰ってやることの一番は

手洗いになりました。

 

もちろん彼女にコロナを移してはいけないという配慮が一番故です。

でも、手を洗うと、そのままコンタクトも外したくなります。

外すと顔も洗いたくなって、それが終わると着替えもしたくなり、そうやって一連のことを

すると顔見た時に嬉し気に私を追っていた彼女も、さすがに疲れたのかあんまり反応を

しめさなくなり、こちらもそれにつられて抱き上げなくなり、いつしか「ただいま」の

一言で終わるようになっていました。

 

原因は・・それ。

抱擁の割愛を彼女は愛情不足と感じて、いつものローテを拒否したわけ?

これって無言の抗議・・

そして、娘の膝にからみつき、舐め回し、娘が帰り際もう一度抱き上げて下ろすと

またもやスタスタとオシッコシートに歩み寄り、これまた大量の・・・

完敗です。

日々の私の努力も、ごはんやりの行為も、粗相の後始末も、なにもかもを足してみても

彼女には私より娘の方が愛が深いと感じているのでしょう。

 

今、私は親の心を知らない不良少女を持った気分です。

ちよっと優しくされた補導員さんに心を開いて、親の本当の愛を知らないこの小娘に

なんと言ってやればこの愛が届くのか・・無力感に心が折れそうです。

・・ってその補導員もあなたの子じゃんって、家人はあきれて言いますが・・

 

今日から、私は帰ってすぐに手を洗うと一目散に彼女を抱き上げましょう。

どんなにコンタクトが不愉快でも、早く着替えてリラックスしたくても、それは

後回しにして、彼女に私の愛をアピールしましょう。

おしっこトレーニングを取り返す意味でも、私の愛を知らしめる意味でも。。

 

でも、私の心は傷つきました。

いつか彼女の耳元で囁いてやるつもりです。

「あなたがどんなに慕っても、お姉ちゃんは持参金付のあなたじゃないと

愛してはくれないのよ」と・・

家人は犬とわが子を相手に大人げないとは言いますが、傷ついた魔女は何をするのか

判りません・・・

 

 

 

 

 

 

 


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